宇和島市立伊達博物館における大名文化展

 休日。しかし朝には用事あり、外出。帰宅後に洗濯し、休憩。昼十二時半頃に再び外出。このとき初めて穿いたリーヴァイス製の服の丈が思っていたよりも短く、膝が出る程だったので焦ったが、時間の余裕がないので強行。道後温泉駅から市内電車で松山駅前へ。そして一時二十四分に松山駅を発ち、宇和島駅に着いたのは二時四十六分。宇和島駅には多数の風鈴が揺れ、七夕の笹も飾られていた。アーケイド商店街を端から端まで通り抜け、宇和島城の上り立ち門の前へ。宇和島城の上り立ち門の傍に建つのは児島惟謙の銅像。一九八五年建立。彫刻の作者は澄川喜一。鋳造は岡宮美術鋳造。題字は松根宗一。さらに進み、天赦園の脇にある宇和島市立伊達博物館に到着。宇和島市立伊達博物館の玄関前には伊達宗城銅像。彫刻の作者は真海徳太朗。
 この宇和島市立伊達博物館で九月十日(重陽後一日)まで開催されているコレクション展「花開く大名文化―文武の世界―」を鑑賞した。「コレクション展」とは云っても、当のコレクションの主は実は宇和島市ではなく旧宇和島藩主の伊達家。かの伊達政宗の子、伊達秀宗を藩祖とする名族で、幕末には政局の一翼を担い、明治維新に多大の貢献をなしたことがよく知られている。名門中の名門であるから、その生活は尚武の気風のみならず貴族趣味にも彩られていた。この展示では、伊達家が伝える貴重な宝物を「文 お殿様の教養」「武 お殿様の軍備」「文華 お姫様の嗜好」の三章に分け、一族の華麗な歴史をたどった。
 観終えたあと、玄関前の庭園を眺めた。これは偕楽園を一部復元していて、橋には伊予の青石が用いられているらしい。玄関の脇には、ゆるキャラ「伊達にゃんよ」。
 既に夕方五時になろうとしていたので、往路を同じ道を帰った。途上、宇和島城の上り立ち門の向かい側には、大和田建樹の生家跡。大和田建樹は国文学者、東京高等師範学校教授で、「汽笛一声新橋を」の鉄道唱歌の作詞者。カトリック宇和島教会の門内には、銅像「イシドロ・アダネス神父像」。彫刻の作者は三好直。昭和三十四年十月の作。
 そして宇和島駅へ。特急列車の指定席を買える自動券売機は、県内ではどうやら松山駅にしかないらしい。伊予西条駅にも新居浜駅前にもなかったし、今日、宇和島駅にもないことを確認し得た。自由席のみの自動券売機では普通のクレジットカードを使用できないので、いろいろ不便。しかし、宇和島駅は始点であるから、指定席の必要性は低いのかもしれないと思い直し、現金で購入。六時九分に宇和島駅を発ち、帰宅したのは夜八時頃。