松山祭と人造昆虫カブトボーグとハイロー金ロー

 松山の現在の中心地をなす大街道と千舟町で八月前半に開催される松山祭は、徳島の阿波踊に倣い、野球拳踊と野球拳サンバを商店街で行う商工会議所主催の夏イヴェントだが、近年は松山城三之丸堀之内公園の広大な広場をも会場の一つに加えている。野球拳踊は、伊予鉄道の幹部だった川柳作家の前田伍健が詞を作った野球拳に基づく盆踊で、それの変形版が野球拳サンバ。
 近年は特に見物することもなかったが、今年は見かけることさえもないまま、今日、最終日の三日目を迎えた。しかるに夜七時半頃、松山城三之丸堀之内公園の会場を通りがかったところ、意外に多くの人々が集まっていて賑わっていた。疲れていたので特に見物することもなく屋台の鰻を食べることもなく会場を去ろうとしていたところ、背後からは水樹奈々の歌が聞こえていた。新居浜駅や松山の高島屋の地下で流れている歌に他ならない。あの歌でサンバを踊る人々がいたということか。
 ところで。
 著名なテレヴィアニメ「人造昆虫カブトボーグ」に登場した淫らな「中島さん」の中島島では中島家の凶暴な姉妹が真夏の島のイヴェントとして盆踊とサンバの対決を繰り広げていたが(第37期)、これは松山祭に因んでいるのではないかと推察される。根拠としては、日本ボーグバトル財団松山ボーグマシン研究所が「愛媛県松山」にあると説明されていること(第27期)、「ZOO」と呼ばれる動物園で人気を集める白熊ピークとその飼育員の低一が松山に隣接する砥部町にある「とべZOO」の白熊ピースと高市飼育員に因んでいることが明らかであること(第34期)、その上で、中島といえば瀬戸内海にある忽那諸島の中島(松山市中島町)を連想させること、盆踊とサンバの組み合わせは松山祭の特徴であることが挙げられる。
 今年の野球拳踊の初日にあたる金曜日の夜、テレヴィ番組「金ロー」で映画「ハイロー」が放映されたところ、映画の見所の八割が削除される酷い編集を施されていたということでファンの人々がインターネット上に悲鳴を上げたらしいが(ハイロー金ロー事件)、この映画「ハイロー」の脚本陣の中には「人造昆虫カブトボーグ」龍昇ケンの声優として知られる渡辺啓も名を連ねていると聞いた。