強い台風に見舞われた休日の道後の様子

 休日。しかし台風。
 朝から夕方まで大いに休んだのち、そろそろアニメイト松山店にでも行こうかと思い、玄関から一歩出ただけで風雨に見舞われ、屋根の下にいたにもかかわらず髪が雨水に濡れる事態。しかも思いのほか寒かったので長袖シャツに着替えて、改めて外出しようとしながら不図twitterを見れば、台風により本日は夕方六時で閉店する旨の同店ツイートがあった。なるほど、これは当然だろう。その閉店時刻まで四十分間ばかり猶予がある中、道後から松山城下の銀天街なるアニメイト松山店まで行くのは断念するにしても、今日の夕食と明日の朝食のための材料を買う必要はあるから全く外出しないわけには参らないわけで、それだったら銀天街まで行くのも同じことではなかろうか?とも思った。
 それで結局は外出したが、楼閣から地上へ降りて改めて歩いてみるに、風雨の強さは想像以上だったので城下まで行くのは無理であると判断。なるべく屋根の下を安全に歩きたいと思い立ち、道後湯之町の商店街へ。一般には今日は日曜であるのみか三連休の二日目の夕方であるのに、流石、平日よりも閑散としていた。しかし閑散としているとはいえ人通りが絶えることはなく、台風の影響と考えると、意外に賑わっているとも云えた。
 道後温泉本館まで行ってみたところ、普段よりは賑わっていないとはいえ、それなりに客が入っている様子だった。特に若い人、若い男子が来ているようだった。道後温泉本館にしても道後商店街にしても、普段よりも人が少ない中で若者、特に若い男子が目立っていたのは、国体の影響もあったのかもしれないし、台風の中を外出する無謀な者は青年男子に多いという傾向もあったのかもしれないが、多分、普段の客の大半を占める年齢層の人々が台風を避けたという事情が最も大きかったろう。
 商店街を抜けて伊予鉄道道後温泉駅の前へ行けば、入口に駅員四五名が立って封鎖していて、その向こうには市内電車が停まっていた。何か奇妙であると思い、別の場所から駅の中を覗いてみれば、何台もの電車が停車していて、まるで運行終了後の深夜のようだった。どうやら伊予鉄道は市内電車の運行を休止したらしい。実際、市内電車はもともと安定感を欠いているので、強風には弱いに相違ない。こんな状況で、明日の朝には出勤できるのだろうか?と心配せざるを得なかった。
 こうして、大根やバナナを買いに行くことが決死の覚悟を要した日。安全のため往復路とも遠回りをして、屋根のある道後商店街を経由しておいた。普段は大賑わいの大型食料品店も流石に閑散としていた。コロッケは売り切れていたろうか。
 今回の台風は普段と違うらしい…と感じながら帰宅後には珍しくテレヴィを点けて台風の情報を求めた。iPhone重信川氾濫の危険性を予報する音声を響かせたので驚いたが、台風自体は、やがて四国を通過したらしい。なかなか酷い休日になったが、大した外出もしなかったおかげで大いに休み得たとも云える。