怪盗ジョーカー第二十六巻=堂々完結

 小学館てんとう虫コロコロコミックス、たかはしひでやす著『怪盗ジョーカー』第二十六巻を漸く入手し、一気に読み終えた。十年間にわたって描き続けられ、人気を博した作品が「堂々完結」した最終巻。最後まで楽しかった。
 作者たかはしひでやす自身も、芸術探偵ビリジアンや甲賀百鬼丸や少年海賊キャプテン・ブルーのようなジョーカーのライヴァルたち大勢をもっと描きたい思いもあったようだが、それ以上に、ハチの死と再生を描いたのを機に発想が広がり、ついにはジョーカーの子どもを描いてみたいという創造の意欲が湧き上がったのを抑え切れなかった結果の、この完結だったらしい。実際、「怪盗少年ジョーカーズ」は第一話で既に楽しかった。
 ともかくも最終巻も充実していた。シャドウ・ジョーカー&ローズも、速水京太郎も大活躍。
 怪盗ムゲンがジョーカーのどんなことでも知り尽くし、ムゲンの愛娘であり愛弟子でもあるヤイバが、父であり師でもあるムゲンの話に聞いた師の師ジョーカーに憧れ、ジョーカーと結婚したがるのは、ハチの師への思いの深みを伝えていて実に味わい深い。