自主返納問題と地方再生論

 多忙で疲弊していた上に、風雨に伴う寒さが一気に来たからだろうか、残業中の夜、何となく風邪を引きそうな気がしたので、帰宅後、大根をオロシ状態にしたものを味噌で煮て、温かくして早めに寝た。
 そして翌朝(十月二十二日の朝)、目覚まし時計の代わりに用いているテレヴィからは、NHK日曜の朝の毎週なぜか憂鬱なことばかり伝えている番組の、自動車運転免許証の自主返納の問題を伝える声が聞こえてきた。色々な考え方があり、色々な人生があったとは思うが、自動車に依存し切った生活というのが幸福であるとは思えない。やはり自家用車に依存しなくも生活できる街を作ることこそ地方再生の道であるという藤井聡京都大学大学院教授/内閣官房参与の論が正しい。しかし現状は自動車産業尊重の、自家用車必須の社会を作ってきた結果であるから、自主返納という方針は云わば「街づくり」失敗の責任を高齢者に押し付けているに過ぎないと云うしかない。