旅行記五/東京藝術大学大学美術館の皇室の彩展/ロダンの青銅時代/東京都美術館のゴッホ展と近代の写実展

 旅行記五。
 今日は帰るだけの日。帰る前に少し見物してゆこうと思い、先ずは朝八時半頃、ホテルの食堂で朝食。食後に近所のコンヴィニエンス店へ行き、一部の荷物を宅配便で発送するための紙バッグを買ってきて宿泊室へ戻り、暫し寛いだのち、荷物をまとめた。ホテルを引き払ったのは十一時の少し前だったろうか。
 神田駅から上野駅へ行き、駅構内のコインロッカーへ荷物を預けて、紅葉の上野恩賜公園へ。
 先ずは東京藝術大学大学美術館で開催されている展覧会「皇室の彩」を鑑賞。瑞彩帖の松岡映丘や小堀鞆音の絵を観ることができた。一通り観終えてグッズ売場を見れば、見事な組紐があった。道明という十七世紀創業の組紐処が制作した品であるらしい。欲しかったが、二万円以上。少し安いものでも一万五千円以上。安易に手を出せる品ではなかった。
 会場を出たあと学食のカツカレーで昼食。東京藝術大学の美術館の向かい側にある陳列館の玄関前には、ロダンの名作「青銅時代」。錆びて緑青になっているのが晴天下に輝いて見えた。
 次いで東京都美術館へ行き、「ゴッホ展」を観たあと「近代の写実展」を観た。後者は東京都現代美術館の蔵品による小企画展で、無料で観覧できる。
 三時前には上野駅へ戻り、コインロッカーから荷物を取り出して出立。上野駅から浜松町を経て羽田空港へ。修学旅行の団体客もいて賑わう空港内で暫し読書。出発時に読み始めた『美少年美術史』を読み終えた。松山空港からはリムジンバスで道後温泉駅前まで戻り、大型食料品店に寄って帰宅。夕食後には寝て、起きたのは翌朝六時半。