休日六日目/竹書房文庫おそ松くん第十八巻

 年始の休日三日目(年末年始の休日六日目)。
 朝、目覚まし時計の代わりにオンタイマー設定しているテレヴィから興味深い内容の音声が聴こえてきたので目を覚まして画面を見た。NHKの特別番組か何かで宇多上皇創建の仁和寺を取り上げていた。
 宇多上皇は譲位をなさった天皇であるのみならず源氏から皇室へ復帰して皇位継承なさった方でもある。史上、天皇親政を行われた醍醐天皇が神聖視され、後醍醐天皇からも理想の御代をなした天子とされたが、どう考えても菅原道真(菅公)を起用した父、宇多天皇こそが理想の天子だったと思われる。そんな宇多天皇よりも菅家を退けた醍醐天皇の方が敬われ続けたとは実に不思議。
 午後、竹書房文庫『おそ松くん』を読み、夕方に外出して近所の大型食料品店で食料を調達し、夜、野菜数種と豚肉を大根オロシ等とともに鍋で煮込んで食べたのち、地上波テレヴィ初放映の映画「君の名は。」を視聴。そして湯舟に浸かった。今年に入ってからはシャワーのみで入浴を済ませてきたので、これが初湯舟の意で初風呂。そして寛いだところで二日前に書いた論文を職場メール宛に送信し終えた。
 ところで。
 竹書房文庫の赤塚不二夫完全版シリーズ『おそ松くん』。第十八巻。
 名作の誉れ高い「イヤミはひとり風のなか」もこの巻の所収。意外にも画風はやや旧に復し、六つ子も再び活躍。
 特に、おそ松はじめ六つ子がデカパンのシンジケートに生命を狙われた話では、カラ松&十四松が陸、トド松&一松が海、おそ松&チョロ松が空を逃亡しながら戦った。「ハッスル通信」十八号によれば、永らく『週刊少年サンデー』に毎週連載されてきた「おそ松くん」は、昭和四十二年の途中で一旦その形では連載を終了し、この話「六つ子対大ニッポンギャング」を機に、月に一度だけ発表される異例の形式で連載を再開させたらしい。換言すれば、毎週発表の短編から、月に一度の長編への完全な移行であり、この移行に伴って作画もダイナミックな方言を見せるようになった模様。特にこの話では、まるで映画を観るかのような大迫力ある構図が見所の一つをなしている。
 そして巻末には赤塚不二夫の御令嬢、赤塚りえ子氏による解説が載り、読み応えがある。