京都アニメーション放火殺人事件/映画ハイ☆スピード!の素晴らしさ

 午前中、大いに働き、午後からは有給休暇。「天気の子」世界最速上映会に参加するため梅田へ行かなければならないから。それは幸福な気分に満ちた夜を過ごすためだった。しかるに、昼十二時半頃、長引いてしまった会議を終えたところで同僚氏が衝撃の事実を教えてくれた。京アニ京都アニメーション)の第1スタジオが放火されたという事件だtった。その場では動揺を見せなかったのは大した被害もなかろうと思い込んでいたからだが、検索してみれば予想外に惨い状況であると分かって、大いに動揺しながら帰宅。帰途の電車内で少し泣いた。帰宅後は直ぐテレヴィを点け、報道を見守った。それで外出する気力も喪失してはいたが、思い直して準備を整え、外出。出遅れたので新幹線で移動。
 移動中、新海誠監督の声明を読んだ。「僕たちは、世界がすこしでも豊かに、わずかでも良くなることを願ってアニメを作っています」という言葉はそのまま京アニの姿勢でもあると思う。
 夜九時前に、「天気の子」世界最速上映会場のTOHOシネマズ梅田に近いホテルに到着。上映開始時刻まで暫く時間があったので、自宅から携えてきたパソコンでニコ動dアニメストアの「ハイ☆スピード!Free! Starting Days」(ハイスピ)を改めて鑑賞した。京アニ武本康弘監督2015年の名作。冒頭わずか2分間だけでも、主人公の七瀬遙が泳ぐ姿の美しさのみによって鑑賞者を圧倒し、満足させる出来栄え。さらに、少年たちの、新生活への複雑な想いが行為や表情のみによって描かれていて情趣が深い。新学期ならではの怒涛のような出会いの連続の中で少年たちそれぞれの心を表している。七瀬遙は橘真琴だけは自分の前からいなくなるはずがないと確信していて、そのゆえの素気ない態度が実はじわじわと真琴を動揺させてもいる。その過程の描写が優しい。やがて陽気な「バカ」椎名旭の登場によって物語が一気に躍動し始める。しかし彼にも葛藤が生じようとは、その時点では予想もできない。校舎内の風景では、何気ないビー玉の存在が世界観に奥行を与えて趣深い。このように、冒頭部分を観ただけでも大いに魅了され、励まされる。
 しかるに、そろそろ「天気の子」会場へ行かなければならない時刻になったので中断して深夜11時半頃に外出。