仮面ライダーカブト第二十七話

テレビ朝日系。“スーパーヒーロータイム”「仮面ライダーカブト」。主演:水嶋ヒロ佐藤祐基。第二十七話。
英国貴族ディスカビル氏の嫡流、神代家に使える執事=通称「じいや」(梅野泰靖)が倒れた。当主の「おぼっちゃまくん」こと神代剣山本裕典)は恐慌状態の中「Bistro la Salle」に駆け込み、ライヴァルの天道総司水嶋ヒロ)に救いを求めた。神代剣にとって真に信頼できて頼りにできる人間が「じいや」以外には実は天道総司あるのみであることがここで明らかになった。興味深い。さて、天道の診断するところ「じいや」は過労で倒れただけだった。この老紳士は神代家の唯一の家臣として家政から雑用まで全てを一人で担っているばかりか、既に家計の破産していることを主君に知られて心配をかけることを憂い、何とか生活の資を得るため必死に働いてもいたのだ。今朝の第二十七話では神代家の城館にある彼の質素な居室を見ることができたが、そこには手作りの造花の束があった。寝る間をも惜しんで内職にまで励んでいたらしい。しかも城館に日々攻め寄せてくる高級食材等の各種業者や金融業者の支払い要求を何とか抑え、帰ってもらうという極めて苦しく厄介な仕事にも追われていたようだ。これでは心身ともに疲れ果て倒れてしまうのも当然だ。彼を「人類の宝」と評して崇拝する天道総司は暫く安静にして欲しいと告げ、「料理なら何時でも作りに来る」と約束したが、その含意は多分、これら厄介な苦しい仕事の全てを「じいや」になり代わり引き受けるということにあったはずだ。なぜなら天道総司は神代家の台所事情を知っているからだ。しかし誇り高い神代剣は、「じいや」の病状が大したことはないと知って安心したのか本来の自尊心を取り戻し、神代家の家政の全てを自ら引き受けることを宣言。結果、これまで隠されていた神代家の家計が破綻していたという衝撃の真実を突き付けられて愕然とせざるを得なかった(というわけで、六月四日放送の第十九話についての吾が大胆な仮説は残念ながら大胆に過ぎたことを素直に認める)。だが、このことは却って、忠臣「じいや」の偉大な忠誠心に対する神代剣の愛と信頼と尊敬の念をさらに深めたに相違ない。なぜなら彼は蕎麦屋の出前として働き始めたからだ。
ZECT幹部の三島正人(弓削智久)は蟹ワーム(ウカワーム)の間宮麗奈(三輪ひとみ)と協力関係を締結した。目的を達成するために利用できるものは何でも利用する考えの三島と、同じ考えの間宮との契約。しかしワーム退治の組織がワームと利害の一致を見るとは尋常ではない。思えば神代剣に対するワーム退治業務委託契約も同じ考えに出たものだったのかもしれない。ともあれ異常事態には違いない。影山瞬内山眞人)は大いに戸惑い狼狽したが、三島にも間宮にも相手にはされていなかった。間宮には平手打ちを食らい地面に倒され、上司の三島にまで足蹴にされていた惨めな影山。