昭和の観光旅行展

午後三時半頃から愛媛県歴史文化博物館を訪ね、開催中の企画展「昭和の観光旅行」を鑑賞。かつて国鉄の駅舎内で用いられていた古い備品や駅員・車掌の制服、古い列車の部品、国鉄制作の精巧な列車模型等が並んでいた。タモリ倶楽部の御一行に見てもらって感想を聴きたい気がした。ほかに松山の名所・名物を描いた永井刀専の木版画と写生画の数々や、吉田初三郎の鳥瞰図や日本全国の観光地に関する古い案内書等の史料が無数に展示されていて、昭和の各地方の観光戦略と実情、広告美術における先進性と地域性の問題等についても考えさせる内容だった。かつて大街道には永井刀専の印章店があったが、ここに展示された作品を見る限り実に優れた画家、デザイナーだったと判る。これだけの絵を描いた巨匠が大街道に普通に店を開いていたという事実に驚かされる。中でも道後温泉で入浴する数人の裸婦を描いた木版画(絵葉書)には異様な迫力を感じた。