ダンドリ。第五話

フジテレビ系。ドラマ「ダンドリ。Dance★Drill」。脚本:横内謙介。原案:長谷川晶一「ダンス・ラブ★グランプリ〜県立厚木高校ダンスドリル部・全米制覇の記録」(主婦の友社)。音楽:住友紀人。主題歌:UVERworld「SHAMROCK」(gr8! records)。ダンス監修:前田千代(日本チアダンス協会)。企画:金井卓也&松崎容子。プロデュース:森安彩&永井麗子。制作:フジテレビ&共同テレビ。演出:小林義則。第五話。
鈴木カルロス三郎太(増田貴久)の熱い夏の物語。さつき市立さつき高等学校の野球部で万年補欠のまま三年目を迎えた彼も、高校時代最後の夏を大好きな野球に打ち込み、甲子園に出場してその土を持ち帰り、やがて両親とともにブラジルに帰国し農園を再興した暁には畑に甲子園の思い出の土を撒きたいと熱望していた。高校入学以来、全ての試験で赤点を取って常に追試を課されてきていた彼が今度ばかりは追試を免れ得たのも、野球の邪魔をされたくなくて猛勉強しておいたからだった。しかし野球部内の無気力な連中の喧嘩を止めようとして右手首を負傷。それでも野球を諦め切れなかった彼は急遽一人きりで応援団を結成。負傷の原因を隠し、応援団結成の理由として、出場できそうもなくて野球を諦めたからと嘘を吐いたのは、野球部内の喧嘩沙汰が露顕すれば野球部自体が無傷では済まないだろうことを心配したからだった。野球部のために体を張り、野球部のために自分を貶めていた底抜けに情熱的で自己犠牲的で心優しい男、カルロス三郎太。青春ドラマの英雄そのもの。そんな三郎太の太陽のように曇りなく明るい笑顔の奥に秘められていた痛み、悲しみ、悩み、頑張りを全て見守り、陰で涙を流していた橋本吾郎(篠山輝信)も熱い。
鈴木カルロス三郎太役を好演している増田貴久の特技は水泳なのだ。無論ダンスも得意だし、これから男子シンクロ部でも結成してはどうだろうか。