誰よりもママを愛す第七話

TBS系。日曜劇場「誰よりもママを愛す」。脚本:遊川和彦。主題歌:福耳「惑星タイマー」(BMG JAPAN/AUGUSTA RECORDS)。プロデューサー:八木康夫。製作:TBS&TBSテレビ。第七話。
嘉門明(玉山鉄二)がピンコ(阿部サダヲ)と寝てしまった。何故だろうか。劇中に描かれたのは、ピンコが己の本心を裏切って好きでもない男と交際し始めようとしているのを見た嘉門明が、ピンコの心を大切にしたいという思い。そしてピンコ自身にも本心に誠実であって欲しいという思いに駆られたということだった。しかし幾らかは嫉妬もあったのではないかと想像する。その根拠として、嘉門明がピンコの交際相手を見て、ピンコにとって本当は好きでもない相手に相違ないと直ぐに見抜けたことを挙げたい。そもそも嘉門明のこの判断の根拠は何であるのか。どう考えても、ピンコが連れていた相手と嘉門明とが似ても似つかないこと以外には根拠が見当たらないのだ。ここにおいて嘉門明は、自分こそがピンコにとって本当に好きな相手なのであると確信していたはずなのだ。
ゲイの世界では好みのタイプが細分化されていて、無論それでも有無を云わさぬ高水準の好男子は注目を集めるだろうが、他方、誰にも相手にされない程の者は少ないとも云われる。誰もが誰かには愛され得るわけだが、反面、下手すれば片思いの連鎖が続く。ピンコは嘉門明のような細い体型の小奇麗な美男子にしか惹かれないのだろうが、そんなピンコに興味を持つのは嘉門明とは似ても似つかない太った男だけなのかもしれない。