功名が辻第四十話

NHK大河ドラマ功名が辻」。原作:司馬遼太郎。脚本:大石静。主演:仲間由紀恵上川隆也。第四十回「三成暗殺」。
戦国時代史上最大の英雄、東照神君、徳川家康西田敏行)が動き出した。家臣の井伊直政篠井英介)も、主君の深遠な戦略の数々には日々驚嘆の連続。堀尾茂助(生瀬勝久)&中村一氏(田村淳)は徳川家康の老獪な言動と不気味な迫力に震え上がり、ついに堀尾茂助は家を守るため豊臣方から徳川方へ鞍替えすることを山内一豊上川隆也)に明かした。しかし徳川家康の意図を見抜いていたのは治部少輔石田三成中村橋之助)一人だったに相違ない。ところで、千代(仲間由紀恵)は六平太(香川照之)からの助言を容れて、夫の山内一豊に対し徳川方に付く覚悟も必要であることを説いたが、その際の論理は、徳川家康の企図しつつある天下分け目の合戦が、豊臣に対する徳川の戦ではなく石田に対する徳川の戦であると想像されることにあった。そうであれば徳川方に付くことは必ずしも豊臣を裏切ることにはならないとも考えられると云うのだ。この論理こそは実に、一年半後、関ヶ原において黒田長政をはじめとする豊臣系諸将が徳川方に付くことのできた理由に他ならなかった。