土曜ドラマたったひとつの恋第八話

日本テレビ系。土曜ドラマたったひとつの恋」。第八話。
脚本:北川悦吏子。音楽:池頼広。主題歌:KAT-TUN「僕らの街で」[作詞&作曲:小田和正]。制作協力:三城。プロデューサー:西憲彦&渡邉浩仁。演出:本間美由紀。
アユタ(平岡祐太)の自称「二十四時間営業」の優しさは正真正銘のものだ。誰に対しても彼は細やかな優しさで接する。ナオ(綾瀬はるか)に対する彼の接し方も基本的にはその範囲内にある。しかるに彼はナオに対する恋心をも胸中に秘めていた。あくまでも秘めていたのである以上、彼の行動にそれは表現されてはいないはずだ。下心あっての優しさだったわけではないということは確認されなければならない。彼の想いは今回の抱擁において初めてナオ自身を相手に明確に表現されるに至ったのだ。
とはいえ彼も決して純粋に完全な「よい人」ではない。なぜなら彼が己の胸中の想いを敢えて率直に表現したのは、大親友ヒロト亀梨和也)の恋の危機を知った上でのことだからだ。
そうであれば彼は恋の略奪を願望し企図したのだろうか。多分そうではないだろう。あの行為に特別な目的はなかったろう。普段であれば大親友ヒロトへの友情から決して表出することなく内面に封印しているはずの自身の恋心を不覚にも表出してしまったまでのことではないかと想像する。
では、ナオの流した涙の意味は何だろうか。(一)優しかったアユタの本心を察し得て、今までの優しさを下心に出たものと思い込み、裏切られたと感じて泣いたのだろうか。それとも(二)アユタの秘められた想いを知ったことで、むしろ彼の胸中の苦しみ、悩みをも想像して憐れみ、泣いたのだろうか。或いはむしろ(三)アユタの温かさに触れたことで逆にヒロトの愛を想起して、会えない悲しみに泣いたのだろうか。現時点では読めない。
登場人物(出演者):ヒロト=神崎弘人20歳(亀梨和也KAT-TUN])/ナオ=月丘菜緒20歳(綾瀬はるか)/コウ=草野甲20歳(田中聖KAT-TUN])/アユタ=大沢亜裕太20歳(平岡祐太)/ユウコ=本宮裕子20歳(戸田恵梨香)//神崎造船鉄工所修理工(田口浩正)同造船鉄工所修理工(浜田晃)同造船鉄工所経理(大島蓉子)レン=神崎廉10歳(斎藤隆成)//月丘達也25歳(要潤)//斉藤(池内博之)//月丘みつこ48歳(田中好子[特別出演])/月丘雅彦55歳(財津和夫)/神崎亜紀子48歳(余貴美子)。