仮面ライダーカブト第四十四話

テレビ朝日系。“スーパーヒーロータイム”「仮面ライダーカブト」。主演:水嶋ヒロ佐藤祐基。第四十四話。
矢車想徳山秀典)と影山瞬内山眞人)の違いは明白だ。影山瞬の胸中には今なお、正義の味方として生きたいという願望が燃えていたが、反面、加賀美新佐藤祐基)との共闘においては今なお、当の「共に闘うこと」自体に没頭することができなかった。彼の精神は、支配と被支配の権力関係、主従関係に対する強烈な関心に占められているからだ。上司や「兄貴」には従うことができても加賀美新の指示には従うことができなかったのだ。他方、矢車想は、闇に生きる決意を守ることにおいて冷徹ではあるが、弟分の仇を討つためとはいえ正義に加担することを決意するや、天道総司水嶋ヒロ)や加賀美新との共闘に己を没入することもできた。矢車想の精神の根本には今なお「パーフェクト・ハーモニー」の理想が生きていたのだ。