家族善哉第二十八話

TBS系。ドラマ30「家族善哉」。第二十八話（第六週）。
原作：島村洋子（『家族善哉』講談社文庫）。脚本：西井史子。音楽：中村竜哉。主題歌：「Step by Step」東方神起（rhythm zone）。制作：藪内広之。プロデューサー：芝野昌之＆亀井弘明＆中村雅人＆藤井裕也。制作協力：MBS企画。製作：MBS（毎日放送）。演出：中村和宏（MBS企画）。
石井美佐緒（赤松悠実）の苦悩は深まるばかり。片想いの相手の上沢貢（中村優一）は、選りにも選って母の石井咲子（竹内都子）に告白をしたと云うし、一家の大黒柱である父の石井紘太郎（嶋大輔）はリストラされて駅前の若者向け喫茶店で制服を着て働いているし。反面、この一家の危機に乗じて逆に自身の恋の危機を乗り越えてしまおうと企てる気力は残っていたらしい。なにしろ美佐緒は、休憩時間の校内の中庭に上沢貢を呼び出して告げたのだ。父の失業による家計の危機で母の咲子も苦しんでいること、ゆえに家のこと以外は何も考えられそうもない状態にあること（従って、今後はどうか母に近付かないで欲しいこと）を。恋の情念の凄まじさ、逞しさと見るべきか。しかし悲しいことに、この話を聞いた上沢貢の美しい顔には深い悲しみの表情が浮かび、あたかも涙を見られまいとするかのように背を向けたのだ。ここにおいて美佐緒の悪魔的な情念の企ては逆効果を招いたと云わざるを得ない。夕陽に染まる自室の寝台に横たわり泣いていた美佐緒。このドラマでも屈指の悲しみの表現がそこにあった。
登場人物（出演者）：石井咲子34歳（竹内都子［ピンクの電話］）/石井紘太郎38歳（嶋大輔）/石井新哉16歳（窪田正孝）石井美佐緒17歳（赤松悠実）/佐伯芙美子34歳（岩崎良美）/後藤礼子34歳（千堂あきほ）/蒲田浩之（脇知弘）山口幸雄26歳（川原田樹）上沢貢17歳（中村優一［D-BOYS］）/高千穂瑛子15歳（寺田有希）生徒女子15歳（西川風花）天童ルミ子15歳（芝原渚）数学科教諭（中道裕子）生徒女子15歳（辻本瑞貴）/校長59歳（愛川欽也）/宮本紗弥加15歳（古田ひろこ）竹田有希15歳（竹田有希）生徒15歳（中谷樹）内職斡旋業者（後藤健司）生徒15歳（岩川博侑）鈴木結衣15歳（小川舞華）。