今週妻が浮気します第八話

フジテレビ系。ドラマ「今週、妻が浮気します」。第八話。
原案:GoAhead&Co.「今週、妻が浮気します」(中央公論社刊)。脚本:吉田智子。企画:中島久美子(フジテレビドラマ制作センター)。音楽:佐藤直紀。主題歌(エンディング):クレイジーケンバンド「てんやわんやですよ」&(オープニング・テーマ):クレイジーケンバンド「た・す・け・て」(Substance Records Corp.)。挿入歌:My Little Lover「あふれる」(avex trax)。プロデューサー:小椋久雄共同テレビ)。制作:フジテレビ&共同テレビ。演出:城宝秀則
三枝陶子(石田ゆり子)への「天誅」。それが物語ったのは夫婦間の関係における相互性、相補性の問題に他ならない。心身ともに限界を超えていた三枝陶子にとって真に必要だったのが夫からの労い、慰め、励まし等の言でこそあれ、家庭の仕事の幾つかの分担なんかではなかったことは先週の第七話で描かれた通りだが、反面、今週の第八話で描かれた通り、夫が分担してくれていたそのわずかばかりの家事が全て妻に襲い掛かれば、妻は色々困ることになるかもしれない。何よりも、夫が身近にいるということは危機のとき夫が救ってくれるはずであるということでもあり、夫がいない場合にはそのような救いの手はどこからも差し伸べられはしないということでもある。さらに加えて、もっと精神的な面でも相互性の問題がある。堂々ハジメ(ユースケ・サンタマリア)が妻の浮気に不信感を募らせていたように妻もまた、夫には既に己への愛がないのではないかと疑っていたからだ。両名とも、己の愛が揺るぎないものであることを過信する反面、相手の側にも同じように愛があることを見逃していたわけなのだ。