大河ドラマ風林火山第三十三話

NHK大河ドラマ風林火山」。原作:井上靖。脚本:大森寿美男。音楽:千住明。主演:内野聖陽。第三十三回「山本勘助捕らわる」。
根来寺の僧に扮し、鉄砲「種子島」を携え、武器商人として越後に潜入し得たものの囚われの身と化していた山本勘助内野聖陽)は、越後に家臣として仕えるなら生命を救ってやろう!との長尾景虎(ガクトGackt)からの申し出を断り、まさに孫子風林火山の句を書いた紙の「的」諸共に鉄砲によって殺されようとしていた瞬間、根来の僧に扮した河原村伝兵衛(有薗芳記)を伴い、正真正銘の根来衆、津田監物(吉田鋼太郎)が、約束通り百挺もの鉄砲を輸送して来訪した。景虎の嫌悪する武田晴信市川亀治郎)の指図によるものだった。しかし勘助の云うにはそれは、神も仏も信じないと公言する勘助への、長尾景虎の神=毘沙門天の加護によるものに他ならなかった。
ここで面白かったのは、直江実綱(西岡徳馬)や柿崎景家金田賢一)をはじめとする長尾家の家臣団の誰一人、今この眼前で起きているのが一体どのような事態であるのかを正確には理解できていなかったということ。囚われの根来衆が実は甲斐の武田家の軍師、山本勘助その人であるという事実を推察できていたのは景虎宇佐美定満緒形拳)の二人だけだったのだ。