爆問学問

夜八時頃に職場を出て、書店で森鴎外渋江抽斎』『鴎外随筆集』合わせて二冊を買って、カレーを食い、買物をして帰宅して、洗濯と暫くの読書のあと落ち着いたところで時計を不図見れば既に夜十時頃。
テレヴィを点ければ、NHK総合爆笑問題のニッポンの教養スペシャ爆笑問題×京都大学」が始まったところ。この番組、前半はどうなることかと不安にもなったが、後半には学生たちの自由な意見も交えて話が盛り上がり、なかなか面白かった。とはいえ、この番組において討論の題に掲げられた「独創性」(番組側の掲げた語は「独創力」)という概念が甚だ厄介なものであるのは云うまでもない。この概念を冷静に適切に扱えるのは一体どのような場だろうか。思うに例えば、独創性の存在自体に懐疑の眼を持ちながら独創性を分析しようという専門的な問題を共有した美学芸術学者同士の研究会でもない限り、この概念は大混乱を惹き起こさざるを得ないことだろう。しかし爆笑問題が起用されている時点で、議論が上手くまとまることなんか誰も期待してはいないのも明らかだろうし、大混乱の中でこそ、テレヴィに映えるような意表を突く発言も次々出てくるのだろう。終わってみれば面白かった。