ごくせん第四話

日本テレビ系。開局55周年記念番組。土曜ドラマ「ごくせん」。
脚本:松田裕子。音楽:大島ミチル。主題歌:Aqua Timez「虹」。挿入歌:高木雄也「俺たちの青春」。プロデュース:加藤正俊。制作協力:日テレアックスオン。演出:山下学美。第四話。
風間廉(三浦春馬)が、放課後、家に帰る前に白金町で何かをしているらしいことは既に第一話において描かれていた。そして無実の罪で警察や学校に疑われた際、そのことが自らのアリバイを証明し得るにもかかわらず決してそのことを明かそうとはしなかった。彼の私生活をめぐるこの謎が今宵の第四話において解明された。彼は同町の繁華街において夜の仕事に従事していたようなのだ。年齢を詐称し、高校生であることを隠して。今回の話で明かされたところ彼はホストクラブで働いていたが、多分、第一話の時点では別の店で働いていたろう。年齢を詐称していることが発覚すれば流石に直ぐに解雇されるはずだから、恐らくはどの店でも長続きはしないのだろう。
今回のホストクラブで云えば、(一)彼の秘密を察知した「ヤンクミ」こと山口久美子(仲間由紀恵)がその店への潜入操作を企てたこと、そして(二)同じ夜、ホストクラブで女子にモテモテの彼の様子を妄想して羨ましがり一緒に働きたいと思った市村力哉(中間淳太)と倉木悟(桐山照史)と本城健吾(石黒英雄)と神谷俊輔(三浦翔平)と、そんな彼等を心配した緒方大和(高木雄也Hey! Say! JUMP])がその店に押しかけたことで、風間廉が高校生であることが露顕した。風間廉は、新人ホストであるから流石に花形として接客を任されるわけもなく、厨房で食器洗いをさせられていた。
風間廉の住居は、その外観だけは第一話に描かれていたが、その内部も、家族も、そこでの生活も描かれなかった。今回はそれらも明らかになった。彼は姉の薫子(山田優)と二人暮し。もともと彼は父のいない家庭で育っていたが、幼少時(小学生の頃か)に母をも亡くし、以来、姉に守られ育てられてきた。姉は今、昼間には歯科医院で歯科助手として働きながらその傍ら、夜には「Clubコリータ」の「沙羅」として働いている。あろうことか、赤銅学院の教頭、猿渡五郎(生瀬勝久)はその店の常連客で、店では「ゴローちゃん」と呼ばれていると判明した。
この健気な姉にも一度は恋愛の相手との結婚の話があったらしいが、新たな家庭に(当然ながら)まだ若い弟をも連れてゆこうとして(これまた致し方ないと云うべきか)相手に拒絶され、結婚の話それ自体が消えてしまうという悲しい結末を迎えたらしい。姉はそのことを弟には知られないようにしたかったのだろうが、弟はそのことを知った。それを機に、弟は姉の幸福を邪魔したくなくて迷惑をかけたくなくて、少しでも早く独立したいと考えるようになった。夜の街で働いて金を稼ごうとしているのはそのゆえだった。だが、守ることと守られることは相互的であり得る。姉は、守るべき弟の存在することによって頑張ることができていた。風間廉はそのことに気付き得た。