ハチワンダイバー第八話

フジテレビ系。土曜ドラマハチワンダイバー」。
原作:柴田ヨクサルハチワンダイバー」(集英社ヤングジャンプコミックス刊)。脚本:古家和尚。音楽:澤野弘之。将棋監修:鈴木大介八段。協力:社団法人日本将棋連盟。プロデュース:東康之。制作:フジテレビドラマ制作センター。演出:松山博昭。第八話。
ついに謎の真剣師集団「鬼将会」の闘将が登場。芸術家兄弟として著名な、陶芸家の春日京介(袴田吉彦)と、フラワーアレンジャーの春日智也(忍成修吾)の兄弟。外見だけ見る限り、これまでに登場した斬野シト(京本政樹)や「二こ神」こと神野神太郎(大杉漣)の方が強そうだが、将棋は容姿で戦うものでもないし、二こ神や斬野があんなにも鬼将会のことを恐れていたわけだから実際には強いのだろう。
隣人や妹を人質に取られて恐慌状態に陥っていた「ハチワン」こと菅田健太郎(溝端淳平)を先ずは落ち着かせるべく、前半には「アキバの受け師」こと中静そよ(仲里依紗)が弟の智也との対局に臨み、後半にはハチワン菅田が兄と対局。見所は前半における「受け師」の強さ。徹底的に攻めの姿勢を取る「力将棋」の春日智也に対し、普段は「鉄壁の守り」に徹する「受け師」が攻めの姿勢に転じて、逆に相手を、守りの姿勢どころか逃げの一手を打つところにまで追い込んで、力を力で捻じ伏せてみせた。止めを刺したあとの「アマリリス花言葉は、臆病」という決め台詞にも迫力があった。
ハチワン菅田と春日京介との対局。出演者に関して云えば、ジュノンボーイ新旧の対決でもあったわけだが、ジュノンボーイ俳優として比較するなら容姿においても力量においても完全に溝端淳平の圧勝と云えるだろう。
この対局のあと一行は、海辺に不気味に聳え立つ鬼将会本部へ招き入れられた。そこで明らかになった驚くべき真相。菅田の妹、菅田歩美(大政絢)が実は鬼将会の闘将だったらしいのだ。春日兄弟によって人質にされ、生命を賭けの対象にされていた歩美が、ニセモノ鬼将会を装いつつも実は鬼将会への復讐をしようとしていた…と思わせておいてその実は、春日兄弟と同じく鬼将会の一員だったとは、なるほど意外ではあるが、むしろ支離滅裂でさえあると云うべきだ。もし春日兄弟がハチワンに勝っていたら、歩美はあのまま生命を失うところだったのではないのか。その意図は何なのか。第一話から第七話の前半までの無茶苦茶な面白さが嘘だったかのような面白くなさ加減なのだが、大丈夫なのか。