M-1グランプリ2008について

今宵の「M-1グランプリ2008」における審査員評はどうなのだろうか。納得させるものがあったろうか。特に島田と上沼の両委員。優勝したNON STYLEについて「圧勝」と評していたわけだが、とてもそうとは思えなかった。所謂ボケとツッコミを矢継ぎ早に重ねてゆく速度と技術には何となく上手さを感じさせるものがあったか知らないが、でも、笑える程には面白くはなかった。面白さの点でも上手さの点でも断然、オードリーの「ネタ」の一本目だろう。二位に終わったオードリーに関しては、二本目が一本目に比して今一つだったのが残念だが、それでもNON STYLEよりは笑えた。NON STYLEの勝因は、キングコングよりは上手かったことだろうか。オードリーが一本目を披露して絶賛を博したときも既に島田紳助委員一人だけはその流れを打破しようとして妙に感情的になっていたのを見ていると、最初から結論は決まっていたのではないかとさえ思えてしまう。「今回の出場者には実力の差は殆どなく、あとは審査員の好みで決まる」等という評言は、予め言い訳をしておいたものとしか聞こえなかった。確実に云えることは、昨年の優勝者、サンドウィッチマンのような実力派が今回はいなかったことだろう。オードリーの敗因は、審査の不透明性を別にして本質的には、サンドウィッチマンのような有無を云わさぬ力量が不足していたことにあると云うべきであるのかもしれない。