侍戦隊シンケンジャー第八幕

東映侍戦隊シンケンジャー」。
第八幕「花嫁神隠」。脚本:小林靖子。監督:中澤祥次郎。
この物語における悪役、「外道衆」の連中の間にはどのような上下関係、どのような指揮系統があるのか今のところ見えにくいところがあるが、その点で特に気になる存在は薄皮太夫(声:朴ロ美)であると云えるだろう。なにしろ幹部のようでいて幹部とは思えない面がある。本人は偉そうにしているが、大概のアヤカシ連中には少々馬鹿にされている様子だからだ。今朝の第八幕では薄皮太夫に何か事情があるらしいことが描かれたが、それがどのような事情であるのかは今なお描かれてはいない。
第八幕における一番の見所は、この薄皮太夫と侍戦隊シンケンジャー五人衆との戦闘、殺陣にあったと云える。殺陣において最も輝かしく目覚しい活躍を見せるのが「殿様」ことシンケンレッド志葉丈瑠(松坂桃李)であるのは云うまでもないが、今回は他の四人との連動も鮮やかだった気がする。初めはシンケンブルー池波流ノ介(相葉弘樹)とシンケンピンク白石茉子(高梨臨)が薄皮太夫を相手に斬り合い、苦戦していたところに「殿様」丈瑠が疾風のように現れ、暫くは一騎打ちを繰り広げたが、流石に薄皮太夫は強く、卑怯な攻撃によって丈瑠も不意を突かれるかと思われた瞬間、シンケングリーン谷千明(鈴木勝吾)とシンケンイエロー花織ことは(森田涼花)が飛んで来て、丈瑠を守ってみせた。こういう華麗な見せ場をさり気なく作れる点に、時代劇映画制作の名門「東映」の凄さを見ることができる。
このほか、丈瑠の紋付袴姿とか、流ノ介の花嫁姿とか色々見所があった。谷千明は日下部彦馬(伊吹吾郎)と名コンビになりそうな感じに見えてきた。