仮面ライダーディケイド第十四話

東映仮面ライダーディケイド」。
第十四話「超・電王ビギニング」。脚本:小林靖子。監督:石田秀範。
門矢士(井上正大)と、小野寺ユウスケ(村井良大)と、「夏みかん」こと光夏海(森カンナ)の三人それぞれが「電王」になったことが今朝の見所だった。モモタロス(声:関俊彦)は最初、門矢士に憑依したが、夏みかんの秘技「笑いのツボ」によって追い出されたあと、再び門矢士に憑依しようとしたところで、門矢士がユウスケを盾にした所為でユウスケに憑依。次いで現れたウラタロス(声:遊佐浩二)とキンタロス(声:てらそままさき)とリュウタロス(声:鈴村健一)も最初は門矢士に憑依したものの、門矢士の驚異的に強い精神力によって三体まとめて追い出されたあとは夏みかんに憑依。
門矢士のこの異様な強さについては、キンタロスやウラタロスも「俺等を追い出すとは、なかなかやなあ」「流石は、ディケイド!ってとこ?」と感心していた。これに関連して見ておくべきは、モモタロスに憑依されたユウスケからの攻撃を、門矢士が容易に押さえ付けていたことだ。小柄なユウスケと長身の門矢士との差として見ることもできなくはないが、むしろ仮面ライダーディケイド=門矢士の心身が並大抵ではなく強いことを物語ると見るべきだろう。
門矢士とユウスケと夏みかん、三人それぞれの身体に応じて服装や仕草や言葉遣いを変えてみせるモモタロス等イマジン四人衆の心配りというか、芸の細かさが素晴らしい。もちろん、それぞれを演じている井上正大と村井良大森カンナの表現も楽しい。プリン好きなモモタロス=ユウスケのために巨大なプリンを三個ばかり食わせたあと、続けて四個目の巨大プリンをも拵え、愛らしいデコレイションまでも施していた光栄次郎(石橋蓮司)は、実に楽しそうな様子だった。直後にユウスケ等が出かけてしまったので一人寂しくデコレイションの巨大プリンを食べざるを得なくなった模様。
ところで、ユウスケがモモタロスに憑依されたのは門矢士がユウスケを盾にしたからだが、なぜ盾にしたのか?と考えれば、やはりユウスケの心身の強さを信頼しているからだろうと考えるほかないように思われる。
他方、海東大樹(戸谷公人)が狙う今回の宝は「デンライナー」。その在り処を知るのはモモタロス等であると見定め、モモタロスに憑依されたユウスケに戦いを挑んだ。先週までの「アギトの世界」以来、海東とユウスケが対決することが多い。
当のデンライナーに門矢士と夏みかんの両名が迷い込んだところ、客室乗務員ナオミ(秋山莉奈)とオーナー(石丸謙二郎)からの歓迎を受けた。野上良太郎佐藤健)も桜井侑斗(中村優一)も不在のこの「ディケイドの世界」における「電王の世界」ではあるが、デンライナーの中にオーナーとナオミがいるだけで、確かに「電王の世界」に違いないと感じられてしまう。