木曜劇場BOSS第六話

フジテレビ系。木曜劇場「BOSS」。第六話。
脚本:林宏司。音楽:澤野弘之和田貴史林ゆうき。プロデュース:村瀬健&三竿玲子。制作:フジテレビドラマ制作センター。演出:星野和成。
殺人犯の石原由貴(志田未来)に対して苛立ちを禁じ得ないのは、名門女子高等学校で一番の秀才と目され、実際あらゆる知に通じているこの人物が、何でも知っている風でありながらも同時に恐らくは(歳相応に)世間知らずであり、世間知らずでありながらもあたかも何でも知っているかのように傲慢に振る舞うからだろうか。どんなに「クール」な人でも多少とも世間を知れば他人への共感や同情も出てきて柔軟性を持ち得るだろうが、世間を知らない者にはそれがないから徹底的に「クール」に振る舞えることだろう。己の犯罪を徹底的に隠蔽しつつ、憎い相手に罪を着せようと偽装した女子高校生のこの悪人は、未成年の取り扱いに関する警察側の配慮のゆえもあって特別犯罪対策室の大人たちを徹底的に愚弄した。それだからこそ、大澤絵里子(天海祐希)による見事な逆転は痛快なものであり得る。
もっとも、今回の話で一番の悪人が、名門女子高等学校の体育教師、増岡剛(松田悟志)であるのは間違いない。学校に在籍する大勢の女子生徒たちと悉く性的な関係をもっていたことは、たとえ同意に基づくにしても犯罪であることを免れない。