月九ブザービート第六話

フジテレビ系。月九ドラマ「ブザー・ビート」。第六話。
脚本:大森美香。演出:永山耕三
海老名麻衣(貫地谷しほり)と秦野秀治(溝端淳平)とが急接近。しかし意外性も何もない。なぜならこの急接近を可能にしたのは、秦野が海老名の家に同居したことにあるからだ。そもそもこの同居ということ自体が、何の説得力もなく突拍子もない展開だったと云うべきであり、無理矢理に拵えられた急接近でしかないと云わざるを得ない。
これまで海老名の片想いの相手だった宇都宮透(永井大)には永年の片想いの相手がいるらしいと判明。相手は誰か。これまでの描写からは、川崎智哉(伊藤英明)か?と期待されてしまうが、実際には例えば、七海菜月(相武紗季)だったと明かされることになるのが妥当なところだろう。フジテレビ月九ドラマにはフジテレビ月九ドラマの限界を超えることができない。
上矢直輝(山下智久)と白河莉子(北川景子)との恋は、換言すれば、己の心変わりを正当化するために相手の浮気を最大限に利用する男と、交際中の男の腕の中でも違う男の夢を見る女との恋に過ぎない。極めてフシダラな恋の話であり、本質は所謂ケータイ小説の類と大して変わらないのだが、それをフシダラではないと見せかけるばかりか、あたかも純粋な恋の話であるかのように見せかけるために、それぞれの恋敵の男女をどこまでも酷い連中であるかのように描くことに全力を注いでいる。同時に、当の主人公の男女を何れも、己等の心変わりや浮気心に全く自覚がない鈍感な人々として描くことで、彼等を悩める純情者であるかのように見せかけている。