働くゴン!

日本テレビ系。スペシャルドラマ「働くゴン!」。
脚本:水橋文美江。音楽:菅野祐悟。プロデューサー:櫨山裕子&内山雅博。制作協力:オフィスクレッシェンド 演出:南雲聖一
産休と育休のため芸能活動を休んでいた篠原涼子の復帰作。というわけで、復帰を飾るに相応しく、二〇〇七年放送の篠原涼子主演ドラマ「ハケンの品格」の出演者が次々に出てきた。安田顕はそれなりに重要な役だったし出番も多かったが、小松政夫は出番だけは三度(店の裏での証言、サインの以来、行列の整理の三度)あったものの無名の役者が演じてもよいような役で、その贅沢な起用に驚いていたら、加藤あい上地雄輔はさらに台詞も出番も少ないエキストラ同然の役。篠原涼子櫨山裕子との関係なくしては成り立たない起用だろう…と感心していたら、約二時間のこのドラマの終わり近くになってから小泉孝太郎大泉洋松方弘樹までもが物語の本筋には何等の影響もない役で立て続けに出てきた。贅沢なドラマだった。
平岡祐太は、前半は頼りにならない新人を演じてそれなりに目立っていたが、後半には大した出番もなくなってしまった。話の都合によることだろうが、それもまた彼には合っているのかもしれない。風吹ジュンは組織の中で人一倍の苦労を重ねてきた人を演じて、その永年の苦労を全体から感じさせた。疲れ果てた苦労人を演じるのが余りにも上手い。
篠原涼子の演じる権俵よし子の二児、咲と春の兄弟を演じたのは、アイドルの森本慎太郎と子役の佐藤詩音佐藤詩音は今年の四月から六月にかけて放送された日本テレビの水曜ドラマ「アイシテル 海容」におけるあの「きよたん」の人だったのか。なるほど今回も「きよたん」級だったかもしれない。他方、確り者の健気な兄を演じた森本慎太郎は、“「アイシテル」における「きよたん」ではない方”の嘉数一星に近い雰囲気を持っていて、なかなかの美男子だった。彼の兄もアイドル集団の一員だが、兄よりも顔立ちが確りしているような気がする。権俵咲役を嘉数一星が演じていたら面白さ倍増だったかもしれないが、流石にそこまでやってしまうのはやり過ぎになるので不可!と判断されたのだろうか。
嘉数一星の勇姿は、多分「仮面ライダーW(ダブル)」の主人公=左翔太郎の少年時代を演じる役者として時々は見ることができることだろう。