仮面ライダーW(ダブル)第二十二話

東映仮面ライダーW(ダブル)」。
第二十二話「還ってきたT/死なない男」。
脚本:長谷川圭一。監督:坂本浩一
ハードボイルド探偵を標榜する左翔太郎(桐山漣)の「ハーフボイルド」の「甘さ」が失敗の苦味を生じた。このことが翔太郎の苦悩として描かれたわけでもなく、むしろ彼のライヴァル、風都警察署超常犯罪捜査課長の照井竜(木ノ本嶺浩)を引き立たせる材料として配されただけとしか見えなかったのは何とも残念だが、この種の話が必要であることは否定しない。
翔太郎が、何時になく探偵事務所長の鳴海亜樹子(山本ひかる)から尊敬の念を表明されて、上機嫌で朝食を奢ろうとしたところから、急に目的地が変更になってカラオケ店にゆくことになってしまった辺にかけての展開は、彼等の関係の現状をさり気なく表していて味わい深かった。そこでフィリップ(菅田将暉)がファングで変身したことから気を失った翔太郎が、闘い済んで目を覚まして、再び歌を歌い始めるまでの間、一体どれだけの時間が流れていたのだろうか。今回の事件の依頼人、風都警察署の真倉俊(中川真吾)に対する請求金額には、あのカラオケ代も含まれていたに違いない。