新番組=警部補矢部謙三

昨夜からの新番組。
テレビ朝日系。金曜ナイトドラマ「警部補 矢部謙三」。第一話。
警視庁公安部の警部補として極めて責任ある立場にありながら、何一つマトモに考えることなく理不尽にテキトウに行動する矢部刑事（生瀬勝久）と、その部下の、庶務係でしかないにもかかわらず緻密に推理を積み重ね、事件の真相に接近してゆく桂美晴（貫地谷しほり）。桂の大活躍によって鮮やかに真相に到達し犯人を特定することができたが、気付いてみれば桂の推理の多くは無意味でこそなかったものの途中までは悉く外れてもいて、過程を抜きにして結論だけ見るなら、むしろ矢部刑事の杜撰な直観と出鱈目な行動が一番の正解だったとさえ云えなくもない。この意味のなさ加減が面白かった。「トリック」の脇役として見る限り何時も暇そうにしているとしか見えなかった矢部刑事の、実は意外に多忙だった日常が描かれて実に興味深い。