仮面ライダーW(ダブル)第三十話

東映仮面ライダーW(ダブル)」。
第三十話「悪夢なH/王子様は誰だ?」。
脚本:長谷川圭一。監督:田崎竜太
ここ数週間というもの、左翔太郎(桐山漣)がどういうわけか無能者のように扱われたり損な役回りをさせられたり、今一つ出る幕がなかったりしたのは、なるほど、かのシュラウド(声:幸田直子)が仕組んだことだったのかもしれない。シュラウドとしては、大切な「來人」=フィリップ(菅田将暉)にとって「不吉な存在」であると見られる翔太郎を退けて、代わりに、來人に次いで気に入っている照井竜(木ノ本嶺浩)を新たな相棒にしたいのだろうか。
シュラウドについて、園咲琉兵衛(寺田農)は何かを知っているようだが、園咲冴子(生井亜実)は知らないように見受けた。この園咲家の当主は、後継者となり得る冴子や井坂深紅郎(檀臣幸)が知らないことを知っているに違いない。知ることは支配することである以上、知っていることをあっさり教えることはないだろう。冴子もまたそのように考え、実践してきたことを吾等視聴者は知っている。仮面ライダーや「來人」のことについての知見を独占することによって園咲家を支配しようとしているのだろう。だが、冴子は、それらのことについては今のところ自分だけが知っていて、父は未だ知らないはずだと思い込んでいるのかもしれないが、実は園咲琉兵衛の方が、冴子の知らないところまで多くを知っているのではないだろうか。
翔太郎が西洋の御伽噺の王子様のような格好をして素晴らしく似合っていたり、鳴海亜樹子(山本ひかる)が夢の中で翔太郎と一緒に「なにわの美少女仮面」こと仮面ライダーWサイクロンジョーカーに変身して、通天閣太陽の塔大坂城を背景に大活躍したり、かなり面白い場面が多かったが、シュラウドの「不吉な存在」発言や園咲琉兵衛の「ついに動き出したか」発言にはそれらを全て暗転させる程の威力があった。なお、夢ドーパント=福島ハジメを演じたのは加藤康起だったが、数年前に比べてスターダスト度数が上がったとでも云うか男前になっていたような気がする。