教科書に載らない日本人の謎

日本テレビ系「ビートたけしの“教科書に載らない”日本人の謎」は、日本人の信仰を見詰め直して三年目、今や正月の恒例ともなったテレヴィ番組。今年は日本における仏教の多様化、民衆化の基盤を作り出した二人の超人、伝教大師=最澄弘法大師=空海を主として取り上げ、番組の最後の、北野武の初詣では高野山金剛峯寺へ参拝した。
番組の冒頭には、如来から菩薩を経て明王、天、さらに羅漢・高僧へ至る仏の世界の秩序について解説があったが、それは番組の後半の密教における曼荼羅の話へ繋がったし、鎌倉時代仏教各宗派についての解説は、それら全ての源流が比叡山延暦寺天台宗にあることに結び付き、この番組の恒例とも云える旧竹田宮家の竹田恒泰による怨霊論も、平安時代における密教の隆盛と関連付けられた。今までのこの番組には色々な解説を相互に脈絡もなく連ねたような印象があったが、今回のは全てが伝教大師弘法大師の話に集約されて、思いのほか上手い構成だった。
もう一つ、この番組の恒例と云えるのが芸人による再現ドラマだが、今回の出演者は小島よしお&カンニング竹山隆範。小島よしおが弘法大師=空海等を演じ、カンニング竹山隆範が伝教大師=最澄法然上人等を演じた。意外にそれらしく見えたのが面白かった。
裏番組の、NHK教育テレビ「スコラ坂本龍一音楽の学校」のバッハ編、全四回の一挙再放送も全て録画しておいた。最後の方だけ少し見たが、坂本龍一が少年たちを相手にフーガやカノン等の対位法音楽の作曲について指導しつつ、バッハ音楽の魅力の深さについて論じていて面白かった。