箱根駅伝

今年初の出勤日。年に一二度ある雑用に一日を費やした。また、新年の挨拶をしておきたかった方に何とか新年の挨拶をすることができて、よい仕事始めの日になった。
ところで。
朝、出勤前に眺めていたテレヴィの情報番組に箱根駅伝で優勝した学生選手団が出演していたのは正月の恒例。今年の優勝者は東洋大学日本テレビ側としては恐らく早稲田大学の優勝を期待していたのだろうが、東洋大学が優勝すれば、あたかも最初からそれを予想していたかのように報道できてしまうのが素晴らしい。東洋大学の各選手の「物語」を一つ一つ語ることのできた準備のよさ。これは東洋大学がそもそも強豪だからこそ可能だったに相違ない。
正月の箱根駅伝の中継放送を見たことが一度もないが、箱根駅伝と聴いて私的に思い出されるのは、学生時代の最後に参加した集中講義「スポーツ美学」で、非常勤講師として遠方の大学から来られた美学の教授が若いときには箱根駅伝にも出場したことがある一流の選手だったという話。古代ギリシア哲学研究室で知り合った体育哲学の大学院生に誘われて集中講義の開講の前日に訪問した体育哲学の教授の研究室で、その話を聞いて大いに驚いたのを想起する。昔の箱根駅伝が(今とは違って?)もっと純粋に、学問に生きている若者=「学生」の競技だったということが判る。