旅行記三/京都文化博物館池大雅/京都国立博物館山水屏風

旅行記三。
朝八時の少し前に起きて、八時から「仮面ライダーウィザード」を見たあとホテルの地下にある食堂で朝食。かなり賑わっていた。宿泊室で少し寛いだあと外出し、地下鉄の淀屋橋駅から梅田駅へ移動し、阪急電車の梅田駅へ行き、特急便に乗って烏丸駅で降りて、地下鉄の四条駅から烏丸御池駅へ。最初の目的地である京都府京都文化博物館には昼十二時に到着。
その別館の洋館の前に来てみると、入場無料の表示があったので、入って見たところ、内部の大きな空間が青い光で照らされていた。あとで本館側から入ってあらためて見ることにしようと思い、直ぐに出て本館の玄関から入館。二回の総合展示の映像を見たあと、その奥にある展示室で今月二十七日まで開催されている小展覧会「池大雅-胸中の山水」を観照。
寛延三年(一七五〇)の作「高士訪隠図屏風」は、数え年二十八歳の作で、その画風は流石に若いが、既に充実した出来栄え。他方、大雅の個性が存分に発揮されている「山水図屏風」は、近景の樹林の豊かさを描く水墨の潤いと彩り、その爽やかさが目を惹くが、様々な木々の彼方に広々とした湖を垣間見るような表現が臨場感に富んでいるし、湖水よりもさらに彼方に遠望できる山々の遥かな広がりも印象深い。「観世音図」は、観世音菩薩の柔らかで重厚な姿とともに、その白衣を際立たせる山水を描く墨色の潤いに、やはり魅了される。「山関図」と「石崖図」は、愛妻のために絵の手本として制作した小品で、シンプルな水墨でありながら風格に満ちている。
隣接する展示室では、本日から二月二十八日まで開催されている「細川家永青文庫コレクション4」で殷や西周、春秋戦国、前漢後漢等の考古遺物を展示していた。四階で今日まで開催されていた「2013京都美術ビエンナーレ」も眺め、一階へ降りて売店を見物して、「ろうじ店舗」を歩き、松栄堂の線香を買い、豆腐料理店で昼食。そのあと再び洋館「旧日銀京都支店」へ行き、多彩な光で照らされた空間を見上げて十数分間を過ごしてから、三時頃に館を出た。
今日は久し振りに京都ギリシアローマ美術館へ行こう!と思い、烏丸御池駅から北山駅へ移動して館の玄関まで赴いたが、門は閉ざされていて、一月と二月は冬期休館中であることが表示されていた。そうだった。迂闊だった。忘れていた。仕方ないので北山駅へ戻り、五条駅まで移動して、そこからは徒歩で、京都国立博物館へ到着したのは夕方五時の少し前。
一月八日から二月十一日まで開催されている特別展観「国宝十二天像と密教法会の世界」と同時開催「成立八〇〇年記念 方丈記」を観照した。閉館まで一時間しかないので大いに急ぎ足に会場を回ったが、それでも、見ないよりは、一目だけでも見ることができて良かったと思えた。今回、特に見たかったのは密教の儀式「灌頂」で使用される山水(せんずい)屏風の数々。展示されていたのは国宝「山水屏風」(京都国立博物館蔵)、重要文化財「山水屏風」(醍醐寺蔵)、重要文化財高野山水屏風」(京都国立博物館蔵)等。岡田為恭による「山水屏風」摸本も素晴らしく、率直に云えば大和文華館で見た為恭のどの作品よりも良かった。
閉館時間の夕方六時の少し前に本館を出て、本館の夜景を暫し眺めたあと、七条通川端通まで進んで七条駅へ降りて、六時十一分発の特急便に乗って夜七時一分に淀屋橋駅へ到着した。「御堂筋イルミネーション」を眺め、彫刻も見物しながら歩き、ホテルに近いコンヴィニエンス店で夕食を購入してからホテルへ帰着した。