仮面ライダーウィザード第二十話

平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第二十話「近づく真相」。
ウィザード=操真晴人(白石隼也)が孤軍奮闘しているところに、やや遅れてビースト=仁藤攻介(永瀬匡)が到着したときの、いかにも期待に応えてくれそうな感じの軽い興奮度が心地よい。
操真晴人にとって仁藤攻介は正体不明の競合相手ではない。志と利害を異にするとはいえ戦闘の目標を共有する間柄ではある。しかも主従の関係もなく、戦闘力の差も今のところは特になく、どこまでも対等な立場にある。しかし両名の関係が心地よく見える要因として最も大きいのは多分、操真晴人が冷めた言動の内に蔵している熱気と明るさが、仁藤攻介の強烈に陽気な言動によって引き出されるからだろう。
フェニックス(篤海)の過去が明らかになった。明らかにしたのは操真晴人の友、警視庁鳥居坂警察署の大門凜子(高山侑子)。今やファントム陣営の有力者と化しているフェニックス=ユウゴは、一年前の春の日食の前日までは、街の花屋で働く店員、藤田雄吾だった。花を愛して皆に愛される真面目で爽やかな青年で、自身の花屋を持つことを夢見ながら、海辺にある古い団地の一室で静かに生活していたらしい。
そんな青年が無理矢理に絶望に陥れられて、あんな化物にさせられているという事実それ自体が、ファントム発生という事態の酷さをあらためて強調している。