散歩する休日

休日。朝に起きて暫し怠惰に過ごしたあと、昼一時頃に外出。伊予鉄道の市内電車で道後温泉駅から大手町駅へ行き、郊外電車へ乗り換えて三津駅で降車。一軒の古民家を外から眺めたあと三津浜資料館へ。
極めて価値ある史料を拝見できて驚嘆した。その内容を写本によって知っていて、どこかに現存する可能性も想像してはいたが、こんなにも身近な場所に公開されていたとは予想していなかった。俳句関係資料の充実にも圧倒されるが、洋室の立派であるのにも驚いた。伊予鉄道の古い定期券と思しい木製の札も、極めて興味深い資料だが、伊予鉄道がそれの用途(定期券であるのか、それとも株主に対する何か証明証のようなものであるのか等)について記憶も記録も有していないという事実にも驚かされた。地域住民は伊予鉄道の過去を大切にしているのに、伊予鉄道は自社の過去を大切にしないのか。兎も角も、色々説明を拝聴する程に、この江戸時代に栄えた港町の文化の厚みを改めて知るに至った。
そこを出て、渡し船に乗って港山へ行き、伊予鉄道港山駅まで歩いたが、そこから城下へ戻るよりも、できれば少し足を延ばして、JR三津浜駅から伊予和気駅へ行ってみようかと考え、再び渡し船で街へ戻り、商店街を通り抜けて延々歩いてJR三津浜駅へ。しかるに堀江方面へ行く電車が一時間に一本しかないことに気付き、今日は遅いので諦めることにして引き返し、伊予鉄道の三津駅から松山市駅へ。駅にある高島屋で線香を購入し、洋服店で夏服を見物したあと、店内の喫茶店に寄ってケーキで休憩しようかとも思ったが、寄ることなく店を出て、徒歩で道後まで戻った。帰宅したのは夕方六時頃。
よく晴れた日で、延々歩き続けていると流石に暑かった。周囲を歩く若い人々も、完全に夏の装いだった。