仮面ライダーウィザード第四十四話

平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第四十四話「息子の形見は」。
操真晴人(白石隼也)から魔力を注入されて生きているコヨミ(奥仲麻琴)の魔力の消耗が徐々に速くなってきていることを、予て操真晴人は心配していたが、今や消耗の速度は信じ難い水準にまで至っていて、いよいよ新たな救助の手を、打開策を見付け出さなければならないと彼は感じていたようだ。そうした中で、コヨミが白い魔法使い=笛木奏(池田成志)の娘であるらしいと知ってしまったことから、操真晴人はコヨミを助けるための方法を笛木奏が知っているのではないかと考え、笛木奏に接触して、話を聴かなければならないと感じていた。
結果、操真晴人は、笛木奏の使者と見られるケルベロスの姿を見かけるや、ゲートを守るための戦闘を途中で何の説明もなく放棄してまでも、ケルベロスの追跡に走り始めるような精神の状態になっていた。
このことの非常性は今までの操真晴人が殆ど常に冷静だったからこそ際立つ。
仁藤攻介(永瀬匡)は今、笛木奏に誘拐された飯島譲(相馬眞大)のことを心配して、他のことを何も考えられない程の状態にはあるが、反面、ゲートがファントムに襲撃されようとしていると知るや、その救出に全力を注ぐこともできる。もともと冷静沈着ではなかった仁藤攻介は、回を追う毎に器の大きさを発揮してきている。出番の多い操真晴人が出番の少ない仁藤攻介の引き立て役にさえも見えてしまう所以でもある。
ワイズマン(声:古川登志夫)が久し振りに登場した。彼はソラ(前山剛久)を上手く騙して利用しているつもりだが、生憎、ソラはそれを認識してしまったし、もともとワイズマンを信用してもいなかったろう。むしろ本当に騙されているのはメデューサ中山絵梨奈)であるに違いない。ワイズマンがソラを騙して上手く利用しているだけであり、ワイズマンが真に信用しているのはメデューサだけである…と聞いてメデューサは安心していたが、ソラを利用しているワイズマンが、どうしてメデューサを利用していないはずであると信じることができようか。