月九サマーヌード第六話

月九ドラマ「SUMMER NUDE サマーヌード」。第六話。
谷山駿(佐藤勝利)の姉である谷山波奈江(戸田恵梨香)は、同じ町に生まれ育って多くの時間を共有してきた三厨朝日(山下智久)に対して十年間も片想いを抱き続け、告白しては振られることをも繰り返してきたが、その相手から遂に愛の告白をされようとしていたとき、むしろこの片想いの清算を決断したことを告げた。
これは意外な展開ではない。それどころか、谷山波奈江の決断には大いに納得できる要素がある。確かに十年間も片想いを続け、愛の告白を毎年のように繰り返しては振られて、それでも諦めないで片想いを抱き続けてきたことには重みがあり、この想いが容易なことでは解消され得ない程に強力であることは間違いない。しかし、ここまで強く想い続けるということは、相手からの返答が妥協の結果であろうとも喜んで受け容れることができるということと同じではない。相手からの愛の返答がなくとも片想いを続けることはできるが、相手からの愛の返答が単なる妥協の産物であると認識できる場合には、片想いを続けることに挫けてしまうかもしれないのだ。そして谷山波奈江は遂に挫けてしまい、片想いの清算を決断せざるを得なくなったということだろう。
このテレヴィドラマには稀な、それなりに理解できる心理であると思われる。
谷山駿の出番は、番組開始から七分程を経た辺と、二十三分程を経た辺。何れも場所は下嶋賢二(高橋克典)のカフェ&バル「港区」。前者では、カレーで昼食を摂っていて、そこへ矢井野孝至(勝地涼)が駆け込んできた。後者は、東京へ帰ることを決意した千代原夏希(香里奈)のための送別会。未成年であるからオレンジジュースで乾杯に参加。谷山駿は、小南写真館で働いている一瀬麻美(中条あやみ)と良い感じの仲になりつつあることを自慢して矢井野孝至に驚かれていた。
先週の第五話の最後に置かれた金魚への虐待の描写に関しては、金魚を金魚掬いの屋台へ帰すという形で、一応の弁明があった。しかし、これは無意味だろう。なぜなら金魚を入れたビニール袋を地面に落としたとき、金魚とともに水をこぼしてしまっていた以上、たとえ金魚をビニール袋へ戻したところで、そこには水が入っていたはずがないからだ。屋台へ金魚を返したときにはビニール袋は水で満たされていたが、水をどこで調達したのかは判らない。しかし水をどこかで調達するまでの間、水のないビニール袋に金魚を入れて運んでいた時間があったのは間違いない。これも虐待に他ならない。