旅行記三/八重洲と上野

旅行記三。
今朝は早く起きる必要がなかったが、仕事関係の携帯電話メール着信音で起こされた。十時頃にホテルから外出したが、今日の仕事の開始予定時刻は昼十二時半であるので、空いている時間を有効活用すべく、東京駅の近くにある某美術館へ。所蔵の名品の展示。セザンヌの画も素晴らしかったが、古代ギリシア陶器画に特に見入った。
十二時頃に美術館を出て、昼食を摂る余裕もなく一つ目の仕事場へ急行。無用に急ぎ過ぎてしまい、開始予定時刻には完了。次の仕事場へ速やかに移動。二つ目の仕事場でも、開始予定時刻の二十分前に仕事を開始。快調に進展。
終了後に自由時間が出来たので、上野恩賜公園東京国立博物館へ入り、本館一階の階段の裏の特別室で開催されている特別展「みちのくの仏像」を急ぎ廻ったあと、二階と一階の総合文化展を急ぎ廻った。「みちのくの仏像」では、平安時代の鉈彫の像(聖観音菩薩立像)に驚いた。宮廷美術展示室には「綱絵巻」。障屏画展示室には松村景文と与謝蕪村の「蘭亭曲水図」。書画展開展示室には池大雅与謝蕪村、浦上玉堂、田能村竹田、金井烏洲、東東洋等の作が並んでいる中で特に惹かれたのは谷文晁の「山水図」。小品だが、寒々しい景色の中を、風に吹かれながら行く孤独な旅人の姿が印象深い。近代美術展示室には島崎柳塢の大作「美音」、前田青邨の小品「竹取物語」等。青邨のこの大迫力の小品を見るのは十数年前の愛媛県美術館における前田青邨展で見て以来だろうか。
短時間に慌ただしく廻ったあと、閉館時間の夕方五時に博物館を出て、上野駅から東京駅へ移動。八重洲中央口を出て、今宵も八重洲食堂で夕食。徒歩でホテルへ帰る途上、コンヴィニエンス店で明日の朝食を購入。明日の天候がどうなるのか気になっているので、宿泊室へ戻るやテレヴィを点けてニュース番組を見ていたところ、急に眠くなり、暫し寝た。荷物をできるだけ整理しておいて今宵は早めに寝るのみ。