仮面ライダードライブ第十八話

平成「仮面ライダー」第十六作「仮面ライダードライブ」。
第十八話「なぜ追田警部補はそいつを追ったのか」。
仮面ライダードライブに変身する警視庁特状課巡査、泊進ノ介(竹内涼真)は、刑事の先輩である警視庁捜査一課の警部補、追田現八郎(井俣太良)が五年前から追い続けてきた犯人をともに追い詰めた。
その犯人の正体は「ジャッジ」を自称して悪い奴等を懲らしめるロイミュード。復讐の代行業を開き、ウェブサイトで復讐の対象を募集して、人々の期待に応えるような格好で悪人の集団を退治してみせる。まるで正義の味方のようではあるが、泊進ノ介は「こいつの正義は本物じゃない」と断言した。
確かに本物の正義ではないに相違ない。これと似た問題は既に、四年前の二月六日と二月十三日、「仮面ライダーオーズ/000」第二十一話と第二十二話に登場したバッタ型ヤミーによって提起された。果たして今回の話ではどのような解釈と解決が見られるのか。次週を待つのほかない。
面白いのは、ジャッジのロイミュードの精神と姿形と身体能力が、追田現八郎に刑事の道を教えた大恩人の大先輩、警察OBの橘真伍(中沢青六)の複写に他ならないということ。橘真伍に、彼自身も気付いていないような微かな隙があったのか、それとも何か道を踏み外したのか。泊進ノ介と追田現八郎による鮮やかな解明を待ちたい。
ところで、この奇妙なロイミュードを、ブレン(松島庄汰)は異常であると見た。なるほど、チェイス上遠野太洸)がロイミュードでありながら最近までは人間を守るためにロイミュードに敵対していたのと同じように、ジャッジを自称するこの奇妙なロイミュードも、ロイミュードに敵対することこそなくとも、少なくとも悪い人間を退治することで人間のために尽くしていると云えないわけではないかもしれない。
しかるに、メディック(馬場ふみか)、チェイス、そしてハート(蕨野友也)はそうは思わなかった。ジャッジの行動は善と悪の二元論、正と不正の判別のみに基づいているのではなく、むしろ「欲望」に基づき、「怒り、憎しみ、復讐」に突き動かされた「複雑な」、「歪んだ感情」の表出ではないかと想像した。そしてそのような「人間の感情」をここで学んでおくべきであるとまで考えた。
確かに、メディックとチェイス、ハートの洞察が的確であると見える。ジャッジとチェイスを「全く同じ」と決めつけるブレンの判定には無理があるのも間違いない。とはいえ、ブレンと他の三名が意見を異にするだけではなく、他の三名が意見を完全に一致させるのは、何となく奇妙に映る。