大全集ドラえもん第十巻

今まで『藤子・F・不二雄大全集』の「ドラえもん」については第一巻から第七巻まで順に購入して読み進めてきたが、今回、仕方なく第八巻と第九巻を飛ばして第十巻を購入し、今宵、一気に読んで深夜に読み終えた。これに収録されているのは、小学館の雑誌で「ドラえもん」の連載が始まった年でもある昭和四十五年(一九七〇)に生まれて昭和五十二年(一九七七)に小学校へ入学した学年の人々が六年間にわたり毎月の雑誌で読み得ていた作品群。流石に、この頃にもなると画風は確立し、安定している。反面、所々の脇役には、明らかにアシスタントの手になると見られる異質な絵が混じっている。巻末の資料を見るに、どうやら第十巻に収録された作品群は全て単行本(てんとう虫コミックス)に収録されているらしい。この時期には「ドラえもん」の作風が安定を見て作者自身にとっても納得ゆく完成度に達するようになっていたことが、この点からも窺える。