子規記念博物館

休日。しかし午後二時半頃に準備を整えて外出。道後公園にある松山市立子規記念博物館へ行き、今日まで開催されていた「河東碧梧桐展」を見学。ちなみに同館は本年度から毎週火曜日を休館日に定めていて、月曜日には開館している。
儒者の子として生まれ育った碧梧桐は、俳人として、早くに正岡子規から高い評価を受け、やがてその前衛性によって一世を風靡したが、間もなく正統派の高浜虚子によって逆転されてしまい、やや不遇の晩期を過ごしたことが阿部里雪の著『子規門下の人々』に語られている。他方、書家としても六朝時代のような古い時代の漢字に立ち返ることで却って前衛性に富んだ新たな書風を確立したことが知られている。今回の展覧会は、碧梧桐の多彩な人間関係を通じて、俳人としての業績と書家としての業績をともに見ることのできる内容だった。
碧梧桐の書における盟友として有名であるのは画家の中村不折で、この展覧会にも不折の絵が出ていたが、ほかにも碧梧桐と一時期親交のあった富田渓仙の絵が出ていた。昨日、新居浜では鹿子木孟郎の絵を見たが、不折も鹿子木もともに小山正太郎画塾不同舎の出身であり、小山正太郎の盟友である浅井忠が正岡子規と親しかったことも知られている。