旅行記二/高松城/現代席画

休日。起きたとき朝七時四十分頃。取り敢えずテレヴィを点けて「仮面ライダードライブ」第四十六話を見たあと旅行の荷物を片付け、出立の準備を殆ど整え終えてから、九時四十分頃、二階の料理店で朝食。色々あった中で選んだのは、煮た野菜数種と、焼いた鮭と、讃岐しっぽくウドンと、野菜カレー。昨日の夕食と殆ど同じものを選んでしまった。違う点は、唐揚が鮭に変わったこと、食後に珈琲もケーキも摂らなかったこと位。実に贅沢な朝食になった。
ここは大和ハウスが作ったホテルだそうだが、流石と云うべきか、立地も建築設計も都市との一体化も宿泊室の装備も食堂も全て素晴らしかった。唯一の難点は、フロントのある八階と地上の一階との間のエレベーターの利用者が多過ぎて、行き来に時間を要する点だけではないだろうか。
宿泊室に戻り、テレヴィを点ければ、東京海洋大学名誉博士さかなクン氏の大活躍の様子が映像で紹介され、同氏と中山優馬の比較も行われていた。
十一時にホテルを出立。今日は靴を片付けて草履で行動。荷物を転がしながら屋根付の涼しい商店街を通り抜け、商店街の端にあるドームで行われていたイヴェントを眺め、三越前で行われていた「みんせい」の演説を足早に素通りし、高松城前の琴平電鉄の築港駅前を進み、JR高松駅へ到着。コインロッカーが空いていなかったが、幸い、手荷物預かり所があったので荷物を預け、身軽になった。そのまま玉藻公園高松城へ。幸運にも今日は無料入園日だった。庭園を見物し、陳列館を見学し、天守閣跡に上り、月見櫓にも上った。一時半頃に高松城を出て、三越へ。
ここの五階で開催されている福井江太郎絵本『駝鳥』刊行記念展については既に鑑賞したが、今日は午後二時から行われる席画(「ライヴペインティング」)の鑑賞。楽しい話のあとに始まった。久し振りに見たが、やはりダンスのように見える。駝鳥の頸を描くときの腕の流麗な動作、脚を描くときの小刻みな動作は、神懸かりかと思わせる。最後に墨を散らす動作は、生命を注いでいるかのようで、芸術制作を短時間に圧縮すると、こんなにも祭礼に近付くということだろうか?と感じさせた。大きな印章が押されて落成款識され、盛大な拍手が沸いて、終了。終わってみれば、見事な絵が仕上がっていることに驚嘆しないわけにはゆかない。
見届けて会場をあとにして、三越を出て、徒歩でJR高松駅へ。松山で往復券を購入しておいたので、高速バス乗り場で席の指定。駅の中を歩き回り、一階の売店でウドン県グッズと、御当地ジバニャン&コマさんグッズと、土佐の人気者カツオにゃんこ(鰹猫)グッズも幾つか購入。カツオにゃんこ(鰹猫)が「妖怪ウォッチ」に出演してジバニャンと共演すれば、誤解に基づくパクリ疑惑も解消するに違いない。売店で買ったパンで遅めの昼食。三時五十分に高松駅を出立し、夕方六時半頃に大街道へ到着。電車で道後まで戻り、大型食料品店に寄って帰宅。「仮面ライダードライブ」第四十六話を見直す体力もないまま直ぐに寝て、起きたのは翌朝九時半頃。ゆえに九月十四日午後三時五十二分に記之。