妖怪ミュージックステーション/ウィスパー三顧の礼

ニコニコ動画の「テレビ東京あにてれちゃんねる」(http://ch.nicovideo.jp/ch7)内の「妖怪ウォッチ」チャンネル(http://ch.nicovideo.jp/youkai-watch)で配信された第百十三話を視聴。
今回は音楽番組「夜のどろどろヒットステーション」とゲーム宣伝「妖怪三国志」の二本立という普段とは少し違った構成。
前者では最初、妖怪界の人気テレヴィ番組「夜のどろどろヒットステーション」の観覧券三枚を入手したウィスパーが「ケータきゅん」とジバニャンを誘い、ヒキコウモリを仲間外れにしようとして、まるで「ドラえもん」におけるスネ夫のような真似をしていたが、結局、株主用バックステージパス四枚を有していたセレブ妖怪ヒキコウモリの財力と権力の前にひれ伏さざるを得なくなっていた。既にこの時点で、これが恐ろしい話になることは予告されていたに等しい。
正義の味方「タロニャントリオ」は、陽気で愛らしい英雄妖怪、モモタロニャンとキンタロニャンとウラシマニャンによる仲の良い三人組アイドル…と見せかけて、実際には、陽気でもなければ愛らしくもなく仲良くもない険悪な関係の三人組。真相を目の当たりにしたウィスパーの慄き怯える姿も凄まじかった。しかし、これは人気アイドルの真相として普通に想像できる姿ではある。
真に恐ろしかったのは、「いろいろツクローバーZ」を率いる「寒い系妖怪」ふぶき姫。ふぶき姫は普段、「熱い系妖怪」アツガルル等と親しくしようとして近寄ってくるが、その実は、アツガルル等が結成した「アッチィソウルブラザーズ」四人組からメラメライオンを契約金一億円で買収して自身の「いろいろツクローバーZ」へ引き抜いていた。こうして役者を揃えた「いろいろツクローバーZ」が華々しく舞台上でパフォーマンスを見せたのに反して、友情を壊された「アッチィソウルブラザーズ」は舞台に立つこともできなくなっていた。ふぶき姫の本性は「寒い」を通り越して冷酷非情でさえあった。実に恐ろしい。
面白いことに、「いろいろツクローバーZ」結成の原因を作ったのはUSAピョンのロケット制作であるのに、当のUSAピョンはイナホと一緒にテレヴィで「夜のどろどろヒットステーション」を視聴していた。しかも、何も動じることなく平然と楽しんでいた。USAピョンのこの心穏やかさは讃嘆に値しよう。
妖怪三国志
ウィスパー孔明ジバニャン劉備を訪ねて、云わば三顧の礼を尽くして使ってもらっていた。