Free!第八話&第一話

昨夜に続いて、借用中の「Free!」DVDの二枚目を視聴してみれば、再生されたのは第八話。橘真琴、葉月渚、竜ヶ崎怜、そして七瀬遙の四名がこの顔触れでは初のメドレーリレーに挑戦し、松岡凛がそれを見て悔しがる話。松岡凛の嫉妬が竜ヶ崎怜にこそ向けられているのは面白い。己のあるべき位置を不当にも奪われたと感じたに相違ないが、どう見てもこれは悪役の感情だろう。
この第八話を見終えたあとに漸く気付いた。このDVDを正しく再生するには一手間が必要であることに。確認してみれば、この二枚目には第五話から第八話まで収録されていた。それで早速、昨日の一枚目も確認してみれば、やはり第一話から第四話まで確り収録されていた。
それで改めて一枚目を再生し直し、ようやく「Free!」第一話を視聴。
冒頭には小学生時代の、岩鳶スイミングクラブにおける遭遇のときの回想があり、映画「ハイ☆スピード!」でも見た場面をここにも見ることができた。
なるほど、「Free!」を見た上で「ハイ☆スピード!」を見た人々の中には、「ハイ☆スピード!」に「Free!」の前史、否、正確には「Free!」における回想と現在とをつなぐ時代を見出した者も少なくはなかったのかもしれない。しかし多分、「ハイ☆スピード!」だけを見て感動してその余韻に浸りながら「Free!」第一話を見るに至った者は、この第一話の中に異質な二つの話があると感じるのではないのだろうか。一つは「ハイ☆スピード!」の前史。もう一つは、登場人物と舞台を「ハイ☆スピード!」と共有する何となく似た別の物語。
ともあれ、「Free!」の第四話、第八話、そして第一話を視聴した結果、「Free!」にも「ハイ☆スピード!」とは別の面白さがあるのかもしれないと知った。登場人物と舞台を同じくする別の物語として見てゆけばよいのだろう。思うに、映画「ハイ☆スピード!」のような長閑で繊細な情感に富んだ表現は、テレヴィの深夜アニメでは難しかったに相違ない。