仮面ライダーゴースト第三十七話

平成仮面ライダー第十七作「仮面ライダーゴースト」。
第三十七話「修得!それぞれの道!」。
十五英雄の眼魂の内、今回の話で鍵を握ったのは三蔵法師の眼魂。しかるに、それを最も正しく使いこなして新たな力をも獲得したのはアラン(磯村勇斗)だった。三蔵法師に仕える猿と河童と豚、換言すれば孫悟空沙悟浄猪八戒に教えを請うて厳しい修業に耐え、ともに技を磨いて仲間となしたことで三蔵法師の意に適い、新たな可能性を拓き得た。今回の話の主人公はアランだったとしか思えない。
ただし、流浪のジャベル(聡太郎)の再登場は唐突だった。彼が今なおアランに敵対し続ける意志を有していた事実にも驚かされた。
天空寺タケル(西銘駿)が取り組んでいたアイドル四人組の事件も「仲間」をめぐる問題であり、三蔵法師はその行方に大いに注目し、結局は天空寺タケルの解決に満足したようではあった。しかし、果たしてあれは解決だったのだろうか。もし、あれで解決したというのであるなら、そもそも事件なんか発生してもいなかったのではないのか。依頼人ホナミ(奥仲麻琴)は被害妄想で暴走し、仲間三人を振り回しただけだったのだ…ということになりはしないか。もちろん事実を云えば、ホナミを暴走させていたのは眼魔界の御用科学者イゴール山本浩司)の発明品であり、天空寺タケルと月村アカリ(大沢ひかる)がそれを排除して暴走の原因を消去したわけではあるが、そのような事情をホナミ自身も知らないし、ホナミの仲間であるアコ(ほのかりん)もユウ(落合優衣)もマリ(小林かれん)も知らない。ゆえに原因の消去がそのまま事件の解決を導いたわけではなく、事件の解決は偶然の結果でしかないとさえ云えなくもない。
深海マコト(山本涼介)は自身に瓜二つの者に遭遇し、敵対を強いられているが、そのような事態を仕掛けた張本人である眼魔界の新「大帝」アデル(真山明大)も、自身に瓜二つの十五のガンマイザーと一体化することを決意した。深海マコトとアデルがそれぞれ何を被ることになるのかが今後の物語を動かしてゆくのだろうか。