怪盗ジョーカー第三十九話における優勝の過程

テレヴィアニメ「怪盗ジョーカー」。NTTひかりTVのWEB配信で視聴。
第三十九話「決戦!怪盗サバイバル 後編」。
四月から始まった第三シーズンの最終回。しかし第四シーズンへ続くことを前提して、いくつか謎を残しながらも一つの謎を明らかにした。
話の本体は先週に続いて第百五十三回「怪盗サバイバル」の話。原作は小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第十六巻の「集合!怪盗サバイバル!!」。ジョーカーが困難を解決し、強敵ミニミニ王を倒して財宝を獲得した方法は原作と全く同じ。
違った点は、原作ではジョーカーとハチとクイーンとスペードとシャドウ・ジョーカーが洞窟のコウモリの背に乗ってミニミニ王に接近したのに対し、アニメ版では、ジョーカーとハチとクイーンとスペードがフェニックスの背に乗っていたところ。
これに関連して、原作ではシャドウ・ジョーカーが最後までジョーカーと一緒に戦ったのに対し、アニメ版では、途中で抜け駆けしようとして失敗し、脱落して別行動になってしまった点も違った。シャドウ・ジョーカー贔屓の者にとっては残念な展開だったが、なかなかシャドウ・ジョーカーらしかったとも云える。
アニメ版で独自の大きな見せ場を得たのはキャプテン・ブルー。ミニミニ王によって小さくなったジョーカー、ハチ、クイーン、スペードにとっては、洞窟内の泉は海に等しい。その上、フェニックスに操られたワニまでも現れてジョーカーを狙ったが、ジョーカーを救ったのは「海の男」、キャプテン・ブルー。実は何の作戦もなく現れたようだが、幸運に助けられて見事にワニを撃退した。
もう一つ、アニメ版では、小さくなったハチ、クイーン、ロコ、スペード、シャドウ・ジョーカーを頭に載せたホッシーが、小さくなったジョーカーを口にくわえて目的地まで運んでゆく場面があって面白かった。ジョーカーは普段、ホッシーを「猫モドキ」と呼んで恐れているが、今回のホッシーは、まるで猫が子猫を扱うようにジョーカーを扱った。
第百五十三回「怪盗サバイバル」で優勝し、古代の秘宝を獲得したジョーカーが、ハチ、ホッシー、クイーン、ロコ、スペードと一緒に寛いでいたところへ赤井翼=フェニックスが現れ、自身とホッシー=アクルックスが地球に降り立った秘密を明かした。アクルックスが宝石や貴金属を食べるのは、それらがもともとアクルックスの餌だったから。フェニックスとアクルックスが故障した宇宙船から脱出して地球へ着陸したとき、アクルックスのための多量の餌も一緒に地球へ散らばった。それらを希少な材質であると見た地球人は様々に加工して財宝にしたということだったらしい。なるほど、ホッシーが食べるのは主に自身の餌に由来する財宝であるということか。だが、サーベルタイガーやサンダースネークは宝石でもなければ貴金属でもない。
大会が終了した直後の夕方、出場者一同が交歓していた場面も楽しかった。赤サソリとナイトメアがイガミ合い、スパイダーAが悔しがっていた中、キャプテン・ブルーやラッキーピラミッドは上機嫌。ダークアイも漸く合流。シャドウ・ジョーカーはクイーンやジョーカーに背を向けて、やはり悔しそうだった。原作では、戦い済んだあとハチの拵えたバーベキューを皆で食べる場面にシャドウ・ジョーカーもいて、ジョーカーの仲間たちに完全に馴染んでいる。