テレヴィアニメ怪盗ジョーカー第四十二話

テレヴィアニメ「怪盗ジョーカー」第四期。
第四十二話(シーズン4第三話)「神の目を持つ少年」。
今週もNTTひかりTVのWEB配信で視聴。原作は小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第五巻に収録された「神の目を持つ少年」。
ジョーカーの対戦相手がインドの少年チャパ・ティーであること、チャパ・ティーがムガル老師の悪事に利用されていること、チャパ・ティーがそのような現状に甘んじている理由が母の病を治すための高価な薬を得るためであることは原作から変わっていない。
原作との違いは、原作では未登場だったフェニックスが参戦したことにある。他の数々の変更点もフェニックス=赤井翼に関する部分に集中していて、そしてそのことが今後の行方に大きな影響を与えるのではないかと予感させる。
重要な変更点として、先ずは、チャパ・ティーの母がムガル老師の居城の一室にチャパ・ティーと一緒に住まわされていたことがある。チャパ・ティーの母が飲んでいる薬はムガル老師から提供されたものだが、酷いことにそれは実は毒薬であり、ゆえにチャパ・ティーの母の病が治ることは本来あり得なかった。
次に、ムガル老師による「裁き」の方法が、鋭い矢で射殺することではなく、ドライアイスの弾丸で徐々に傷付けてゆくことだったのも重要な変更点で、これはムガル老師の力を得体の知れないものに見せかけるに充分だった。
しかし何よりも重要な変更点は、チャパ・ティーが神官として仕える神が、アシュラではなく、「永遠の生命を持つ炎の鳥の神」ガルーダであること。ジョーカー自身が予感していた通り、ガルーダの正体はフェニックスだった。チャパ・ティーと母をはじめ、ガルーダ神を信仰する全ての人々が、フェニックスの姿を見て瞬時にガルーダ神と認識した。
チャパ・ティーの母の眼前に現れたガルーダ神=フェニックスは、左手の指の爪で右手の指を傷付け、その傷から光り輝く玉を発して薬となした。チャパ・ティーの母はそれを飲んで直ぐに健康を取り戻した。半ば毒殺されかけていた状態から、再生したのだ。まさしく「不死鳥」の業と云わなければならない。
しかるに、この表現には見覚えがある。このテレヴィアニメの原作、たかはしひでやす『怪盗ジョーカー』を読んでいる者であるなら知っていよう。小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第二十三巻に収録された名作「不死鳥と魔弾の射手」に他ならない。