テレヴィアニメ怪盗ジョーカー第四十八話

テレヴィアニメ「怪盗ジョーカー」第四期。
第四十八話(シーズン4第九話)「愛と死の誓い」。
今週もNTTひかりTVのWEB配信で視聴。原作は小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第九巻に収録された「囚われの結婚指輪」だが、題名が大いに違っているのは、このアニメ版に出てくる宝が指輪になっていない大きな宝石であるから。
しかも宝石の正体はフェニックス=赤井翼が携えていた「檻」であり、彼がその檻に閉じ込めようとしていたのは「古代の秘宝」の場所を伝える宝の一つを食べてしまったサーベルタイガーだった。こうして「虎の乙女」(「戦乙女」)の頭領タイガー・マリーの宝石はジョーカーが今なお秘蔵する「サーベルタイガーの冷凍ミイラ」に結び付き、物語は第三十六話「スカイ・ジョーカー危機一髪!」を経て第二十一話「大海を渡る絆」まで繋がった。そして次週の話「大海でなくした絆」へ続くのか。
第三十六話においてホッシーが「サーベルタイガーの冷凍ミイラ」に食らい付いた理由と、プレジデントDがスカイ・ジョーカーの内部を偵察していた理由は、今こうして明らかになった。しかし第二十一話において少年ダンプが「サーベルタイガーの冷凍ミイラ」を欲しがったとき、果たして既に「古代の秘宝」の存在をも知っていたのかは定かではない。
もう一つ印象深かったのは、タイガー・マリーから無事に逃れたジョーカーとハチとホッシーとクイーンと赤井翼がハチの拵えたカレーを食べた場面。ハチは調理のための火力を赤井翼に提供させ、まるでガスコンロのように扱い、流石の赤井翼も扱いの悪さに少し落ち込んでしまっていたが、出来上がったカレーを食べた途端、美味に感激して幸福な顔になった。そんな赤井翼にハチは、皆で楽しく食べることが美味しさを増大させることを説き、赤井翼も、ジョーカーやハチやクイーンの楽しそうな様子を観て納得した。
このことは、第四十二話「神の目を持つ少年」においてインドの少年チャパ・ティーがフェニックスの顔に寂しさを感じ取ったことを想起させる。さらには、ジョーカーとハチとの間の家族同然の、否、家族以上の特別な関係に、フェニックスが大いに心動かされる可能性を予想させ、小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第二十三巻に収録された名作「不死鳥と魔弾の射手」を予感させる。