劇場版SAOオーディナル・スケールでレコンの横にいたダイン

 今月四日、「劇場版 ソードアート・オンライン SWORD ART ONLINEオーディナル・スケール―」七回目の鑑賞について記した際に、「昨日までの間にテレヴィアニメ「SAO」第一期の全二十五話、第二期の全二十四話と総集編一話、合計五十話を全て観終えた今、あらゆる登場人物の過去を踏まえることができる。唯一、テレヴィアニメでも観た記憶がないのは「フカ次郎ちゃん」の名を叫んでいた人だけではなかったろうか。」と書いたが、これはとんでもない間違いで、確かに「フカ次郎ちゃん」はテレヴィアニメには登場していないはずだが、その名を叫んでいた人は確り登場していた。ゆえに間違いを削除しておく。
 名を叫んでいた人の名は、ダイン。テレヴィアニメ第二期の第一話から第十四話まで、ガンゲイル・オンラインで繰り広げられたシノンとキリトの物語「ファントム・バレット」編の登場人物。
 詳しく観てゆけば、先ず第一話「銃の世界」の終盤で、シノンに指示を出す声の主として登場した。声だけの登場。この時点では、なかなか強そうな人物であるかに聞こえていた。
 姿を見せたのは第二話「氷の狙撃手」。前半では、シノンと一緒に行動する集団の頭領として、頼り甲斐ありそうな様子を漂わせていたが、後半、ベヒモスという強敵を前に怯え、撤退を主張して、シノンに叱咤された。ダインは「ゲームでマジになんなよ!」と反撃したが、シノンから「せめてゲームの中で位、銃口に向かって死んでみせろ!」と責められた。震えながらも敵に向かって決死の攻撃を試み、敢え無く倒されたとはいえ打撃を与えることには成功した。見事に散ったダインの健闘を、シノンは「ナイス・ガッツ!」と称えた。
 もちろんダインが云ったようにガンゲイル・オンラインソードアート・オンラインのようなデス・ゲームではないので、ゲーム内で倒されても(デス・ガンの所業のような異常事態を別にすれば)本当に死ぬわけではない。だからこそ「せめてゲームの中で位、銃口に向かって死んでみせろ!」という云い分も成り立つ。
 ゆえに、ダインは第八話「バレット・オブ・バレッツ」で再登場。ダインはガンゲイル・オンラインではそれなりの著名人で、しかも強さをよく知られているらしい。強いながらも「パッとしない」人物と認識されてもいるようで、そのような評判を立てる者に対して憤慨していた。しかし後半(そして第九話「デス・ガン」)、結局はペイルライダーを名乗る謎の人物に撃たれ、「パッとしない」ままに退場した。
 こうして振り返ってみると、臆病な面と強い面を備えて、なかなか面白い人物だったと云えるが、それにしても、「フカ次郎ちゃん」の名を叫んでいた姿は、まるで別人のようにさえ見えた。リーファの名を叫んでいたレコンが横にいた所為で、さらに「お見苦しい」ことになっていた。