マギ第十五巻

大高忍『マギ』第十五巻。
アリババはレーム帝国に到着。しかし道中、盗賊に騙され、全財産を失ったが、剣だけを辛うじて死守した。不思議なことに、かつてカシムの配下だった三人組に遭遇して救助された。アリババの身体に宿るカシムのルフの導きだったろうか。アリババの身体に二種のルフが宿っているのを見抜いたのはシャンバル剣闘士養成所の主シャンバル・ラマー。マゴイ操作をなし得る剣闘士に他ならない。闘技場における苦しい戦闘の只中、アリババの中でアリババのルフとカシムのルフが遂に融合し、アリババは生まれ変わった。
この力の発生を、三人のマギの一人であるレーム帝国の最高司祭シェヘラザードは感受した。
同じ頃、暗黒大陸を旅していたモルジアナは、大峡谷の底でユナンに出会った。かつてシンドバッドを導いていた謎のマギに他ならない。ユナンは、煌帝国に異変が生じ、世界に大異変が生じつつあることをモルジアナに伝えた。
煌帝国では皇帝が突然の崩御。皇后の練玉艶が皇位を簒奪した。簒奪に賛同したのは意外にも練白龍。黄牙から大勢の眷属を従えてきた練白瑛は、弟の異変に動揺していた。練白龍の狙いは帝国の分裂を図ることにあったが、ジュダルは練白龍を練玉艶の側に寝返らせようと画策。
対するに、皇位継承の最有力者だった練紅炎は、練紅明や、マグノシュタットから帰還した練紅覇とともに対抗策を考え始めた。
迷っていたのが練紅玉。シンドバッドへの思いから、シンドリアの独立を守りたいと考えていたが、憧れの兄、練紅炎は世界の統一を企てていた。対するに統一の不可能を語る練白龍は選りにも選って練玉艶の側に取り込まれそうになっていた。
マグノシュタットでは、アラジンの修行は驚異の進展を見せ、遂には最優秀の生徒に選ばれた。面白いことに、アラジンは既に練紅覇とも仲良くなっていた。練紅覇も只者ではないと判る。